作戦が功を奏したと言えるだろう、玉が次から次へとクルーン・・・。
「いけー!!!」
「いけいけー!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
中島「見事脱臭させてみせますよ・・・!皆さんの言うところの・・・・・嘘臭さを!」
・・・・・・・・・・・・・・・
「うっひょ~!!!!!」
「来たぞ来たぞー!!!」
「来たでー!クルーンや!!!」
「おっしゃー!!!そのまま行けー!!!!!」
サブ「ぐぐぐ・・・。」
敦『なるほど、脱臭かあ・・・中島君、君は凄いよ!見事に消したよ!その臭いを・・・そして出し抜いた!あの細心で用心深いサブローさんを!・・・そして突破!あの2つ目の関門も!残すは・・・・・クルーン!あのクルーンだけだ!』
「いけー!!!」
「いけいけー!!!」
中島「フフフ・・・言われずとも行くさ!ここで行かずしてどうする?って話だよ!こんな千載一遇の・・・おっと!3枚目のパッキーが終了か・・・。」
中島「4枚目を!」
スタッフ「は!」
中島「まだ2000!」
「おぉ!!!」
「すげぇ!!!」
中島「当然!ここでガス欠ってんじゃ泣いても泣ききれないさ!やっと勝利の女神が微笑んだんだよ!」
「うおおおおおおお!!!!!!!!!」
「そうだそうだ!」
中島「そんな訳で!パッキー早く!」
サブ「待ってくれ!!!」
「!?」
サブ「ここまで!アクシデントが発生したので中止だ!払ったお金は返金するからここだ退いてくれ!」
中島「え!?」
「!!!!??」
サブ「皆さん!これを見てください!見ての通り!役物がこの状態!誰が見てももう続けられる状態じゃない!これじゃあ・・・。」
だが!中島は遮った!「僕は構わない!」と・・・。
「!?」
サブ「なっ!?何をふざけた事を!?」
中島「ふざけてなんかない!これは神様からの思し召し!今クルーンはフリーパス状態!超幸運!Very Happyだ!」
ルーシー「そうよ!この幸運を生かさないでどうするのよ!?」
サブ「な!君たちは・・・!!!」
中島「サブローさん、言っておくけど・・・この破損アクシデントはそちら側・・・店側のミス、責任、不備!こちらは関係無ぇって事だ!打ち手の僕には!」
谷崎「そう!それにあそこの但し書きにも書いてある・・・一度打ち始めたらどんな不都合が起ころうともガラス戸を開けてクギの調整等、一切の操作と変更はしない・・・と書いてある!」
サブ「いや!確かにそうだが・・・好きなだけ遊んではいいが・・・ゴト行為等の怪しい動きがあった場合は別だ!」
「・・・・・・・・。」
ざわ・・・。
中島「ゴト?」
サブ「惚けるな!6日前の大暴れ!あれで饕沼を壊し修理に出した部品を・・・すり替えた!どんな細工は知らないが、何か仕組んだその偽物!・・・違うか!?」
「・・・・・・・・・。」
ざわ・・・。
ざわ・・・。
ざわ・・・。
中島「ククク・・・。」
サブ「?」
中島「何を言い出すかと思ったら・・・・おいおい勘弁してくれよw・・・そんなの、憶測だろ?今言ったこと全て!!!」
「!?」
サブ「ぐっ・・・!」
中島「何1つ無いだろ!?僕や磯野や立原さん達が・・・そんな事したって証拠は!」
サブ「黙れ!・・・黙れ黙れ黙れ!証拠もクソも無い!!!この変形はそう考えるしか他無い!誰がどう考えたってそうだろ!?鏡花「通らない!」
サブ「!?」
鏡花「通らない・・・サブローさん、今やってるギャンブルは千円や2千円のそこらのギャンブルじゃない、何千万億というギャンブル!そんな大勝負を今みたいな不確かな憶測で決めつけで・・・・・中止は不可能!第一・・・このクルーン前の門番に関してやってたよね?あなた達・・・間違いなく操作を!」
サブ「うっ!・・・・・な!何を言う!」
鏡花「本来、1/3の確率で通る玉が・・・何回連続で止められたと思う?多分200回以上と想定・・・計算してもそれがどれだけ天文学的にあり得ない出来事なのかを・・・!」
鏡花「しかし・・・・・目を瞑ってきたでしょ?その事について私は・・・当然!仕方ない!だって証拠が一切無いから!なら黙って見守るしかない・・・それが真剣勝負でしょ?」
鏡花「それを自分に都合のいい時は続行させておいて何かハプニングや不測の事態で逆の目・・・・・都合が悪くなると中止とか・・・それが・・・通ると思ってるの!!!!!!?」
鏡花「そんな自分勝手が!!!そうでしょ!?皆!」
敦「確かにそうだ・・・・・いくら自分勝手とは言え度を超している!!!」
「そうだそうだ!」
「その通り!!!異論無し!!!」
「明らかだったぜ!遠隔操作が丸分かりだ!!!!!」
サブ「ぐっ・・・!」
「やらせろ!」
「続行だ!」
「そうだそうだ!!!」
サブ「こいつ等・・・調子に乗るのも・・・!」
スタッフ「店長!お電話です!」
サブ「は!?こんな時に誰だ!?」
出てみると・・・声の主にサブローの表情が一変して青ざめた・・・。
サブ『こ・・・この声・・・。』
?「おいおいおい!裏カジノの店長とあろう者が何とも情けねぇ失態だなぁおい!醜態ぶりが笑えるぜ!w」
サブ「ま・・・まさかその声は・・・ガルダさん!?」
中島「え!?」
そう!R.T.D Projectsの関連バンド全組が食事会の真っ最中・・・と言うか宴会が行われているとある高級ホテルの宴会場からだ!
そこからスマフォをスピーカー機能で通話している。
サブ「一体・・・どういうご用件で?」
無惨「見ていたぞ・・・力足らずが!」
サブ「ひっ!!!」
ディオ「いっそ還るか!?海・・・深海に漂う・・・藻屑!泥や砂・・・澱みにな!!!」
サブ「!?」
サブ「う!・・・うぅ・・・・・!」
伊黒「なるほどな・・・所詮は・・・・・口自慢の仕事下手だったわけか。」
釘崎「クズじゃん、ただの・・・。」
サブ『待てよ!?・・・見ていたって事は・・・もしかして開始してからずっと!?ここまでの一部始終を・・・!?』
ガルダ「サブロー!」
サブ「は!はい!」
ガルダ「受けてやりな。」
サブ「!?」
サブ「は!?それはどういう・・・!?」
ディオ「確かに、中島達がその真ん中の役物に何かしら仕込んだ事は明らかだ!今蓋を開けて入念に調べれば何か種が出て来る可能性はある!しかし・・・それはそこまでだ!」
サブ「そこまで!?」
ダンディ「その事と中島達を結びつけるものは無い!それにやったと言う確たる証拠も無いぜ!そうなれば・・・あいつ等がゴト行為したと断定出来ねーって訳だ!」
五条「それでも、被疑者未定・・・不確定な何者かによるゴト行為が今発生した事は明らか。その発生をもって中止・・・勝負は取りやめを強引にも出来なくはないが・・・・・それはそっちが失点が無い場合に限るよ。」
サブ「!?」
東方仗助「大体、お前は下手くそ過ぎんだよ!」
サブ「!?」
ざわ・・・!ざわ・・・!
仗助「下手にも程があるぜ、間近に見ずこうしてこのモニターから見ていたって見え見えだ!お前の遠隔操作ブロック!」
サブ「うっ・・・!」
セミラミス「そんなヘタな行為は不公平感が噴き上がるのも当然だ!見世物にしておいて自分が不利になったら中止などと言えるわけもあるまい・・・・・公平である必要はないが・・・・・少なくとも、公平感は客に与えなくてはならんぞ。」
サブ「うぅ・・・!」
マミゾウ「今日のお前さんの始末・・・やり方は下の下だ!そんなやり方では搾り取れんぞ!儲け0でTHE ENDじゃ!」
サブ「す・・・すいません!」
天草四郎「だからこそ、受けてやりましょう。」
サブ「え!?」
四郎「これ以上客に不信感や不公平感を持たせたら後は無い、そんな事をすればどうなるか分かりますね?・・・カジノ全体の不信感!厭カジノ感に繋がりIRのお偉いさん方はご立腹確定かな。」
サブ「・・・・・・・・・。」
サブローから冷や汗が止まらない。
レミリア「それだけは避けるべきね、カジノが愛されたかったらもっともっと・・・金を得る事よ。」
サブ「!?」
サブ「は!はい!」
ガルダ「だからこそ、ここは潔く中島の言い分を認め再開だ!・・・その後は見届けてやるよ・・・お前らのどちらかが・・・破滅になるかをな・・・!!!ククク・・・!」
サブ「うっ・・・!」
無惨「何だ?自身0か?あの魔性のクルーンはお前が生み出した物であり自信作・・・・・もはや、己すら信じられなくなったか?・・・日和った臆病者になったもんだなあ・・・サブローよ。」
サブ「・・・・・・い!いえ!そんな事はありません!クルーンは絶対です!登りません!水は決して上には!登りません!!!!!!!!」
「・・・・・・・・・。」
ガルダ「そうだ・・・その意気だ!真正面から戦い・・・そこで勝つ!・・・或いは・・・・・・・堕落して・・・死ね!」
サブ「・・・・・・・・。」
ガルダ「万が一の場合はな!・・・じゃあな!」
ここで切れた。
サブ「くそ!・・・高みの見物で偉そうに!」
村谷「店長・・・。」
サブ『あのクルーンに関しては・・・手つかずのはずだ!この間の大暴れで破壊されたのは・・・真ん中の役物のみ!クルーンは手つかず・・・よって交換もされていない!』
サブ「村谷、例の役物の交換作業の時・・・その場に付いてたよね?」
村谷「はい。」
サブ「その時、何か怪しい動きはしていたか?その作業員がクルーンに何か仕掛けや細工をしてそうな行為は・・・。」
村谷「あ~・・・特に無かったですね、私が見る限りはクルーンにさえ触れてませんでした、それに・・・・・交換後の試し打ちと共にクルーンのチェックもしましたが、その時も異常は見られませんでした!特に3段目は入念にチェックしました、10・20と玉を入れ試してみましたが・・・入賞・・・大当たりは皆無です!問題はありません!」
サブ『・・・ならやはり・・・セーフ!?問題は無いってことだ!あのクルーンに変化が無い以上は・・・どう考えても敗北は・・・。』
すると、待ちくたびれたオーディエンスが騒ぎ出した!
「おいおい!いつまで待たせるつもりだ!?」
「さっさと始めなさいよ!!!」
「そうだそうだ!」
「再開だ再開!」
サブ「ぐっ・・・分かりました!」
「!?」
サブ「ご安心ください!当カジノは逃げ隠れは一切しない方針!今ご覧の様に・・当カジノにとって不公平且つ壊滅的酷い惨状です!台はありますが、この状態を引き起こしたのは打ち手の中島君であると言う確証も無い以上・・・認めます!彼の続行を!!!」
「!?」
「おい・・・。」
「うん・・・。」
「やった・・・・・やったー!!!!!!!!!」
割れんばかりに巻き起こる大歓声!!!!!
「いいぞー!!!」
「いいぞ!!!」
「いいぞーーーーー!!!!!!!」
サブ「クリーン公平です!二言はありません!!!中島君には最後の最後まで納得いくまで打っていただけます!!!!!」
「おーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
サブ「村谷・・・今日は通常設定の5・5・5だろ?」
村谷「え・・・えぇ、そうですが。」
サブ「念のため、7・7・7にしておけ・・・・・万が一にも突破は許されない!潰し殺す!!!ここで中島ひろしを!!!」
そして、中島は新たなパッキーを受け取り・・・。
中島『1000万パッキー・・・後こいつが2枚・・・決まる!どうあれこれで・・・決まるんだ!』
中島「皆ー!!!行くぜ!!!」
「おおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
パッキー挿入!!!
中島「残るは本丸の・・・あのクルーンのみ!難攻不落の鉄壁の城だが・・・制空権は取った!敵は空を見上げるだけ!となれば・・・・・降らせてやる!雨!銀玉の雨を!!!!!!爆撃だ!!!!!!!!」
「おっしゃー!!!!!!!」
「やれやれー!!!!!!!」
中島『焼く!焼き尽くす!』
そして!再びクルーンに!
「ひょおー!!!」
「来た来たー!!!!!」
中島『2000万・・・決める!捻じ込む!打って打ちまくって!焼いて焼いて焼ききって!その圧倒的爆撃の果てに・・・勝利はある!!!一発4000円で2000万だからピッタリ5000発!今{クギの森}の通過は設定A以上の20発に1つくらい、クルーンには・・・およそ250発の玉が流れ込む事になる!』
中島『この250発が3段目まで行く確率は・・・4×3・・・1/12!20~30発という計算だ!実際にはそこまでは無理だが・・・この台におけるある特殊事情を鑑みると多分その1/3程度!6か7!2000万使って・・・僅か!6か7!』
また惜しい!ハズレに・・・。
「あぁ!惜しい!」
中島『そう!僅か6か7!しかし・・・その6か7は3段目をただ回って落ちる飾りじゃない!死に玉じゃない!生きている!王を殺れる玉!死角だ!サブローさん!悪いが既に破れてる!あなたの異能は!』
それは一週間前のあの時いた競馬場での会話・・・。
ぬえ「は?呪縛?」
中島「そう!クルーン・・・特に3段目はもう雁字搦め!敵の策略の巣・・・絶対に入らないように排除される仕組みになっている!偶然入るなんていう運否天賦は・・・。」
藍「まあそりゃそうだろうな。」
中島「まずその仕組みから・・・ポイントをメモ用紙に描いてきたので説明します。」
中島「例のクルーンって、1段目と2段目当たりは手前で唯一・・・3段目だけが奥に当たりがある。」
文「奥に当たり・・・あ!もしかして見えにくくするためとか?」
中島「そうです!つまりは・・・3段目の当たり穴の後ろ側、通常の入手ルートは、その図みたいに盛り上がっていて100%入らない!」
安定「それが饕沼最大のトリックか・・・。」
今剣「セコイ事するよね~w。」
中島「何しろクルーンの中は薄暗いくなっているしその隆起も透明な上に極僅かな事・・・目を凝らして見ても通常まず気が付かない!」
中島「見えない・・・ただ見てるだけでは何も・・・でもこの間の磯野があの台に挑んで外した玉があったよな?」
カツオ「・・・最後って、1番最後のあの惜しかった?」
中島「そう!あの最後の玉・・・今思えばえらい不自然だった!」
カツオ「不自然?」
中島「そう、最後の最後で・・・回転力を失ってもはやこれまで・・・後は落ちるしかない玉がトロトロ横に滑っていく・・・そして当たりの穴を回避した瞬間に急降下!ハズレ穴に消えた!」
中島「まるで、それまであったつっかえ棒を失ったような動き・・・あり得ない!」
長谷部「要するには・・・奥に膨らみさえ無ければあんな動きはせずに、平だってら入っていたって訳だな・・・大当たりに。」
カツオ「えぇーーーーーーー!!!!!!!!???そ・・・そんなぁ~!!!」
中島「敵は、穴後方からの入賞をこの隆起・・・膨らみでまず殺し・・・もう1つの入賞ルート・・・回転力を失った玉が、穴の間をすり抜け前から入るケース・・・・・残るこれも別方法でありえなくしている!」
カツオ「別?」
中島「普通に考えると・・・前方から来る玉も後方と同じように膨らみで弾いてしまえばいい・・・考えがちだがそのやり方では何年かに1回7あるお偉いさん方達に出してもらう時・・・その接待の時に対応しにくい・・・・・!だから!あえて前からの玉はガードで殺さず別対応・・・寝かせで殺しにかかる!」
カツオ「寝かせ?」
清光「寝かせ・・・傾いてる訳か。」
中島「そうです!あのクルーンは3段目の大当たりの穴と逆方向・・・つまり手前に傾いてる!」
カツオ「そ・・・そういう事だったのか!!!あー!道理で入らないはずだよ!・・・・・・でも、そうは見えなかったけどなぁ。」
中島「一見すると分からない、分散してるから。」
カツオ「分散?」
藍「傾斜のポイントを分散してるんだよ敵側は、だから分かりにくいんだ。」
中島「僕も最初は気付かなかったけど・・・犬みたいに何度も何度も饕沼を嗅ぎまわってようやく察したんだ!細心で緻密な・・・傾斜3分割!」
カツオ「は?」
中島「1つはクルーン、クルーンその物が傾くという最も単純なこれ・・・そして2つ目は、台!台自体を寝かせる!」
文「よくやりますねぇ、台自体も傾けるなんて。」
中島「そして最後の3つ目・・・床!」
ぬえ「床?もしかして・・・。」
中島「そのもしかしてです、あの時最後の玉がハズレた時に磯野が派手にぶっ倒れてそこら中に玉をぶちまけたでしょ?」
中島「そしてあの時、サブローさんが来て玉を拾ってたんだ、拾ってそれを貯玉の箱に戻した・・・何でもない行為だけどあの男がそうやって拾った玉は饕沼に降りる3段の階段、あの部分の玉だけだ。」
文「ん?・・・・・そうなると妙ですねぇ、何でそこだけ拾ったんでしょうか?」
中島「それに、絨毯のとこだけは拾わずそのまま。」
カツオ「え!?何で!?」
安定「・・・もしかして、流れないから?」
カツオ「流れない?」
安定「普通の床だと傾いてたら玉が流れ転がるけど、絨毯だと摩擦係数が低いから玉は転がらない仕組みになってるからだよ。」
カツオ「なるほど・・・。」
中島「僕も気が付かなかったけど、階段の玉も絨毯の玉も同じようにうっちゃっておけば多分気付かなかっただろう・・・まあ、ネタを知ってるが故に出る過剰反応ってやつだ。」
長谷部「結局は、あの玉拾いが致命傷になったと言うわけか。」
中島「あれを契機に全ての謎が解れていった・・・そして、動き出した!僕の{饕沼攻略法}!!!」
動き出した!玉拾いから・・・中島の饕沼攻略法!!!
中島「ふふふ・・・。」
カツオ「はあ・・・そんな事があったのか・・・これは全く気付かなったよ・・・・・って言うか多分、何にも思わなかったと思うよ!僕は!・・・その玉拾いを見ても別に特別なことでもないし・・・・・。」
ぬえ「アンタの頭じゃその程度だろうねw。」
カツオ「何だとー!?」
中島「フフ・・・磯野、サブローさんはそんな雑用を自ら行う男じゃないよ・・・・・その点は、確認済みさ!9日前にね。」
それはこの時の事。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スタッフ「すいませんが、ここは関係者以外立ち入り禁止なのでお引き取り願います!」
中島「用があって来たんです。」
そう言うと、中島はカツオが落としたパチンコ玉を取り出しそれを転がしたら・・・サブローの足元に止まった。
中島「換金してくれませんかそれ?昨日の玉が1つ、磯野の服に紛れてて。」
サブ「あー、そういう事ね!君~換金してやってくれないかい?」
スタッフ「はっ!(玉を拾い換金する)」
実はこの時!玉を拾ったのはスタッフだったのだ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中島「改めて話す必要もないけど、ちょっとした事さ。」
カツオ「何か知らないけど・・・・・いろいろやってたんだなぁ、僕が知らない間に・・・でも!問題はここからだよな!?種は分かった!上は出っ張りで瘤みたいなもので阻止され下はクルーンの台・・・饕沼の床、この三様の傾斜で傾き防いでいる!結局は上も下もダメと言う話・・・・・それは分かった!しかし言うまでも無く!それが分かっただけじゃまだ半分!問題はその先!どうやって突破するのさ!?敵のその網・・・ガード!壁!」
中島「・・・ククク・・・そう!その通り!ここからが肝心!正直言って成るか成らないか!僕自身半信半疑・・・で、相談なんだ磯野!僕が考えた手は・・・。」
それを皆に聞かせると・・・驚きを隠せなかった!
中島「どうだ!?感想を聞きたい!磯野は過去に波平さんとマスオさんの仕事の手伝いで土建屋をやってたらしいじゃないか、その経験からしてこの話?」
カツオ「バカげてる・・・けど・・・しかし・・・天才的とも言える!」
藍「確かに無茶苦茶だけどやってみる価値はあるかもな。」
今剣「面白いじゃん!それやってみなよ!」
それを今・・・饕沼で挑む中島!
カツオ『成る・・・これは成るかもしれない!!!あの日話した奇跡が・・・後少しで、成ろうとしてる!!!』
カツオ『そして実る!残ったドアは後1枚!その破れももはや時間の問題!いける!いけるはずだ!ここまで中島の読み通り!順調に推移している!』
カツオ『芬氏!頓死!その圧倒的な無駄玉・・・死屍累々の彼方に現れる・・・天へと続く・・・逆走!奇跡の軌道!・・・その瞬間・・・全てが報われる!大当たり!』
それは目前!1玉!それで決せられる!全て!全てを!金が尽きる前に・・・!
カツオ『頼む・・・中島!!!』
「もう少しよー!」
「いけいけー!!!」
村谷「店長・・・何とか大丈夫そうですね。」
サブ「あぁ・・・。」
サブ『当然!1つ目と2つ目は破れても・・・最後の砦のクルーンはそうはいかない!不可能だ!』
サブ『確かに・・・途中の門があんな状態では川面に浮かぶ落ち葉がことごとく・・・滝壺に流れ落ちるように・・・。』
サブ『それこそ、通常はあり得ぬ圧倒的銀玉が次々にクルーンに脅かすだろうが・・・あり得ぬ!ただ1玉も大当たりは・・・幾千幾万と落ち葉が滝壺に吸い込まれようとも、その中のただ1枚も・・・滝を逆に登ったりはしない!不可能な滝登り!自明の理だ!』
サブ『そもそもあり得ない事なんだ!あのクルーンに限り敗北は!』
しかし・・・スタッフの1人が何か疑問を抱えてるような感じだった・・・。
女スタッフ「あのぉ・・・横でずっと見ていたんですが、少し気になる事が・・・。」
サブ「気になる事?」
ざわ・・・!ざわ・・・!
女性スタッフ「その、入らないんです・・・玉がなかなかクルーンの3段目に。」
村谷「は?何言ってんだ?結構な事じゃないかそれは。」
女性スタッフ「そうでしょうか?」
サブ「え?」
村谷「え?」
他のスタッフ達「?」
ふと・・・サブローは何かに気付いた!
サブ「あ!・・・うぅ・・・どれくらいだ?入らないって?」
女性スタッフ「3段目にこれまで1度も・・・。」
サブ「!?・・・1度も!?」
女性スタッフ「はい・・・。」
サブローも違和感を覚えた・・・・・。
サブ『あり得るのか?・・・そんな事・・・?』
サブ『床、台、クルーン・・・この3つの傾斜で今、クルーンは手前に傾いている、通常この状態では・・・当たりが手前にある・・・1段目と2段目は入りやすい・・・つまり、いくらなんでも・・・もう行ってもいいはずだ、3段目に何回か・・・それが・・・・・行かないってことは・・・!?』
すると!
「うぉー!!!」
「来たぞ来たぞー!2段目!!!」
「こうなりゃ行けー!3段目!!!」
「3段目!3段目!」
「1/5で現ナマ7億!!!!!」
サブ『うぐっ!・・・・・まさか・・・入るのか!?』
中島「ぐう~~~~~~~~!!!!!!!!!!」
「いけ!」
「いけいけ!」
「入っちゃえー!」
「そのまま行ってしまえー!!!!!」
「スパッと入れー!!!」
「このまま突破よー!!!」
「こうなりゃ!3段目!!!!!!!!」
玉は転がり・・・・・そして・・・・・。
コロコロコロ・・・スッ・・・カコッ!
「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「入ったー!!!!!!!」
敦「来た!!!!!3段目!!!」
「おおお・・・!!!!!!!」
「やったー!来た来たー!!!」
ルーシー「来たわ遂に!!!満を持して!!!」
立原「よっしゃー!!!3段目!1/5で7億だぜ!!!!!」
「現ナマ!!!7億!!!!!」
サブローの表情がみるみる青くなっていく・・・・・。
サブ『う・・・うぐっ・・・! ま・・・まさか・・・まさか・・・入る!?』
サブ『・・・バカな!そんなバカな事はあり得ない!無いはずだ!そんな事は一切!杞憂・・・杞憂のはず・・・!!!』
サブ『あり得ない!傾きを変える事など・・・不可能!』
村谷「・・・大丈夫なはずです・・・・・3段目は特に・・・。」
サブ「分かっている・・・!」
そしてサブローは、中島の目つきの異常にも気付く・・・激しく鬼気迫った表情に・・・。
サブ『な・・・何だあの表情は!?まるで・・・・・鬼神の如く・・・・・。』
そして、突然弱まっていく玉・・・。
「おい・・・何か玉の速さが弱まってきてないか?」
「後半周か1週って感じだな。」
サブ『う・・・うぅ・・・。』
だが・・・惜しくも当たりを逸れた!
村谷『よし!ハズした!あんな風にやっとこ瘤を超えた玉は二度と登る事はない!手前に傾いたこの傾斜を・・・・・登らない!これで終わりだ!心配無用だ!・・・。』
だが!ここで思わぬ事態に!!!
何と・・・玉がハズレの穴手前で向きを変え・・・登り始めた!
村谷「え!?」
サブ「なっ!!」
そして・・・そのまま当たりへと一直線!!!
村谷「何だと!!!?」
サブ「あ・・・な!!!何だと!!!?」
中島「よっしゃー!!!!!行けー!!!登れー!!!!!!!」
まさに・・・奇跡の軌道!!!
中島「殺れー!!!王をの首を取れー!!!」
サブ「よせえ~!!!!!!やめろーーーーー!!!!!!!!」
観衆からは大歓声!!!!!
サブ「やめろー!!!やめろー!!!!!やめてくれー!!!!!!!!!」
「いけー!!!!!」
「いけいけ!!!」
村谷「やめろー!!!!!」
そして玉は・・・・・惜しくもあと一歩の所でハズレの穴に・・・。
周りからは落胆の声が・・・。
「うわ~!!!マジかよ~!!!」
「惜しい~!!!」
サブローは・・・安堵を通り越して呆然気質状態・・・冷や汗も止まらない・・・。
村谷「店長・・・今の動きは・・・!?」
サブ「分からん・・・ただ、1つだけ確かな事は・・・・・逆なんだ!どうあれ!」
村谷「は?逆?」
サブ「傾きが逆、手前ではなく・・・奥側に傾いている!」
村谷「!?・・・・・し、しかし・・・リモコンの表示はプラス7.7.7・・・手前傾斜での表示ですが。」
しかし・・・サブローの表情は険しい!!!
サブ「ちょっと貸して・・・管理は?このリモコンの管理は。」
村谷「え?どうって・・・事務所の机の中ですが・・・。」
サブ「もしかすると、逆にされた可能性はあるか?」
村谷「え!?」
サブ「何らかの方法で事務所に忍び込み、リモコンの配線を逆にする・・・そうすれば、プラスの表示がマイナスを意味することになる!つまりは・・・・・逆!手前に寝かせているつもりが逆!奥へと傾くからくりだ!」
村谷「え!?しかし、忍び込まれた形跡はどこにも・・・。」
サブ「相手は今までの挑戦者とは気持ちや考えが違う!そんじょそこらのギャンブラーじゃないんだ!確かめれば分かる・・・ともかく一度表示をマイナスに・・・・・。」
その時!ジェットカウンターエリアにて・・・。
男「あぁ~!!!やべー!やっちまった!!!」
スタッフ「どうかしましたか!?」
男「玉をこぼしちゃったんですよ!」
スタッフ「手伝います!」
男「頼む~!!!1玉400円なんだ~!!!」
その様子を見ていたサブロー達だが・・・そこでサブローはある事に気が付きすかさず
サブ『あ!・・・ああっ・・・・・・・!!!!!!!』
サブ「おいおい・・・そんなバカな!!!!!!!」
村谷「どうしたんですか?店長?」
すると、サブローはそのジェットカウンターエリアに走り・・・。
サブ「う・・・ううっ・・・!」
サブ「見ろ!ジェットカウンターが置いてある台を・・・。」
そこにもパチンコ玉が落ちているが・・・村谷も気付いた!
何と・・・パチンコ玉がジェットカウンター前を一方向に転がって行ってる!斜めっていないはずなのに・・・何故?
村谷「これは一体?」
サブ「リモコンじゃなかった・・・奴が饕沼を逆に傾けた手・・・リモコンの配線が逆とかそんな小細工じゃない!・・・全体!」
村谷「?」
サブ「奴はこの7億のパチンコのために全体・・・このフロアー全体を!傾けやがったんだ!!!!!!!!」
バァーーーーーーン!!!!!!!!!!
村谷「え!?傾けた!?」
加筆更新また後日~!!!