昨年、バラが一輪だけ狂い咲きしてて。
春にしか咲かないんだけど、
何故か秋にたった一輪だけ。
そのバラはこの間のアイビーに似てるとこがあって
なんかいつも完璧なんだよな。
全然動じない。
高潔で静かなんだけど
咲くとあまりにも綺麗すぎて時空が歪んでる。
異次元の景色。
キムヨナみたいな。
菅原文太みたいな。
こんな時代に全然チャラくねぇ!!みたいな(笑)
そんなバラは咲くと
棘がすごくて、
葉っぱまでトゲトゲしてて、
茎も有刺鉄線の三倍くらいトゲついてるし、
花以外が”棘”でできてて。
バラの、この”世界を恨んでるようなところ”が
大好きだ。
バラ、世界大っ嫌いなんだろうなー、と思うと
「よかった、、自分だけじゃなかった」
ってホッとするから。
バラはバラ単体で、もう完成されてる。
単体でもう完成されてるなんて寂しすぎる。
誰にも混ざらないし、
誰にも優しくされようと思ってない。
“優しくされるくらいなら一人で枯れるわボケ”
とでも言いたげな佇まい。
なのになぜかバラの周りの透明な空気まで
バラに影響されていく。
周りがバラに吸収されていく。
そんな孤高で硬派で世界大っ嫌いなバラが、
季節外れに急にトチ狂って一輪咲いた。
その咲き方が本当に心配になるような咲き方で、
もう、
「何にほだされたんだ!
何に恋をしてるんだ!お前は!
しっかりしろ!目さませ!(゚o゚;;」
ってくらいの咲き方で、
そのうち葉っぱまで紅葉させてて、、
自分のもってるものは全て見せます
媚びてると言われても知らん
プライドなどない
大好きで大好きで大好きだから
もういいや、
命を全部、燃し尽くすことにしました
みたいな咲き方で😭
こんなに世界を恨んでるのに、
「あんた、そんな咲き方したら、
フラれたら半径30キロの大地ごと枯れるよ。
やぶれたら、もう二度と咲かねーよ」
とハラハラして見てたんだけど、、
いつ散るんだろう。
と思ってたら、ニュースで台風が来ると。
その嵐が来る前の晩に、
カエルを見かけた。
「(相手はカエルか、、)」
と思っていた。
静かな嵐の前があって、
嵐はやっぱり来て、
そして去っていった。
嵐の翌日
一輪だけ咲いたバラの
姿、形がなくなってた。
そして今年になり、春を過ぎた。
二度と咲くことはないだろう、
と思っていたバラは
なんと未だかつてないくらい咲いてる。
わんわん咲いてる。
どうしたんだ、
この世界が大好きか?
ってくらい咲いている。
今朝、
花がら摘み
(盛りを過ぎた花は切り落とさないと
株が体力を使ったり、
虫やカビで病気をするため
摘んだ方がいいらしい)
したらこんなん、よかったー!😭
わんわん、わんわん咲いてきた。
大きい大きい花束みたいに。
この花束はきっと
世界に向かって捧げられている。
なんでこのバラは
今年、こんな風に咲けたんだろうね?
私は、
なんかそれがあったから
(カエルに命を捧げるくらいの、
自分の通常が分からなくなるほど
恋に落ちたから)
「ちょっと世界を信じられるようになった」
んじゃないかなあ、と思ったよ。
バラはあの恋を経て、
世界を好きになれたのかもしれない。
すごく。
ちなみに、やっぱり恋の相手はカエルだったわ。
花がら摘みプラス、
弱った葉も落としてきたんだけど
枝のど真ん中に、
微動だにせずカエルが鎮座してた。
私が霧吹きでクモや蜂や、なんらかの生き物を
叩き落としても
微動だにせず、カエルは座り込んで
じっとバラを至近距離から眺めてた。
両想いだったんか。
私が心配するほど、
世界は悪くないのかもしれないよな。
バラが、花束捧げるんだから。
PS
ちなみに、「バラ カエル」でGoogle検索してみてください。
両想いです
すごくすごく両想いです
飛んで飛んで
すっごい素敵です