行きつけのレンタルビデオ店で見つけた一枚のDVD
「なつかしい~~。そんな時もありましたね」
と、手にしたのはベトナム映画、トラン・アン・ユン監督の
青いパパイヤの香り
 

映像のとても美しい作品でした。
時はミニシアター全盛期、この映画を上映するのにパパイアを配ったとか・・・
アート系映画と呼ばれる作品の自主上映会はさながら一種のライブイベントでした。
そして、注目されるのは香港映画、台湾映画、イラン映画、などなど。

これもその中の一作品、ヴェトナム映画でした。

1951年、平和な時代のサイゴン、下働きの使用人の10歳になる少女ムイ(リュ・マン・サン)
この少女ムイの視線を通して描かれる、とある一家とムイの物語り。

何気なく差し込む太陽光、葉の輝き、セリフの少ない映像美、
それはまさにキャンバスに描かれるような「美」の世界でした。

この作品の監督トラン・アン・ユンの
夏至 特別版

これも透き通るような映像の作品でした。
三姉妹、それぞれが抱える問題に視点をおいて家族間のリレーションシップを描いた作品。

この2作品、穏やかでのどか、ゆっくりとしたテンポで展開していくので
のどかな春の昼下がりなどに見ると眠気を誘われてしまいそうなくらいですが、
なんともいえない色彩美は、とてもフィルムとは思えないほどでした。

このような作品が時代の変化の中で忘れられ、埋れていくのは
なんとも惜しいような・・・
DVDを懐かしく見ながら、「もしかして、もう古典?」そう思うのでした。