ご質問にお答えします 「精油による女性器のケア!?」 | フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

パリ在住19年のTomomiが、フランス本場アロマテラピーや自然療法のお話、日常生活をお届けします

こんにちは。アロマトローグのTomomiです。

 

最近、アメーバのメッセージ欄は広告ばかりなので見ておりませんでした。

が、ちらっと見たら、読者の方からの気になるご質問が。

基本的には、個人的にはお返事はいたしません!が、私のモットーです。

でも、これはお返事しなければ、いや、お返事じゃなくてみなさんにシェアしなければと思いました。

今日のブログをお返事の代わりとさせていただきます。

 

詳細は端折りますが

アーユルヴェーダのセミナーに行かれた時に

女性器のオイルケアの話があったそうです。

精油はどうですか?どういったものを使いますか?

というのがご質問。

 

アロマテラピーの先生をやってらっしゃる読者の方は

「おーーーーー!危ない、危ない!」と思ったのではないでしょうか。

でも、アロマをそこまで専門にやってらっしゃらない方にとっては

本当に素朴な疑問ですよね。

 

精油は植物オイル(植物油、キャリアオイル)とは違います。

エッセンシャル「オイル」と言ったり、精「油」と言ったり

なんか同じように感じるかもしれませんが、分子構造が全く違う。

平たく言うと、精油はものすごく小さくて、オイルは大きいのです。

基本的には精油は血中に入っていきますが、オイルは肌にとどまります。

なので、精油と植物オイルを同じように扱うのはいけません。

 

女性器のケアというのが、どういうことを指しているのかはわかりません。

女性性を向上してくれるというものもあれば

婦人科の症状(月経痛など)を軽減してくれるというものも考えられます。

フランスでのアロマテラピーの本を紐解くと

婦人科疾患への精油を使ったケアのレシピはあります。

が、それでも女性器に塗るという使い方はほぼありませんね。

 

ご質問を読んだ限りでは、そのセミナーでも

植物オイルでのケアの話にとどまっているようですので

「変な精油の使い方を教えていた!」というわけではなさそうです。

ご質問くださった方も、アロマを趣味で楽しんでらっしゃるので

「精油を入れたらもっといいんじゃないかな?」とふと思っての質問だと思います。

なので、この方へのお返事は「精油は使わないでくださいね!」に尽きます。

 

ですが、「月経中に精油をナプキンに垂らすといいよ!」と

アロマテラピーを広めている方がオススメしている話を聞いたことがあります。

これはまずい。よくない。ダメ。やっちゃいかん。です。

 

ネットを検索するとよく出てくる図ですが

腕を1としたときに、体の様々な部分が何倍くらい吸収率が高いのかを示したものがあります。

それによると、性器は42倍。

腕に塗るよりも42倍吸収するスピードが早いそうなんです!!

この数字の根拠は調べてないのでわかりませんが、腕より吸収率が高いのは確かそうです。

 

しかも。生理用のナプキンに垂らすという行為は「密閉」されるわけです。

例えば、スースーする成分を筋肉痛のときに「湿布」にするのは、吸収率をあげるため。

スースー成分はそのままだとどんどん揮発する(とんでいく)のです。

だから、密閉して有効成分を肌により吸収させて筋肉痛を和らげるわけですよ。

 

ただでさえすごく吸収率の高い性器に、ナプキンで密閉するなんて

どれくらい吸収させたいんですかー!??と聞きたい。

それは「何のため?」「どのくらいの期間?」「毎月ですか?」と

こちらから聞きたいことは山ほどあります。

でも、私が聞いた限りでは「月経の不快な匂いもしないよ」

「月経が軽くなるよ」という理由らしいのです。

へ?それだけの理由で、こんなリスキーなことをするんですか??

 

例えば、子宮筋腫があります、子宮内膜症です、ひどい月経痛で日常生活がままならないのです

という重度の婦人科疾患がある場合に限って

婦人科の先生との連絡を取り合いながら、期間限定で、精油を利用するということは

フランスではなくはないです。

でも、婦人科の先生の許可があるとか、アロマトローグに高度の知識があるとか

絶対精油じゃなくちゃいけない場合、さらに絶対に性器への塗布じゃないと効果がない場合とか

(たぶんそんなことはないと思うんですよね。違う方法はたくさんあるはず)

すごくすごく特別な場合に限ると思います。

ま、普通はこんなことしないかな。

 

とにかく、フランスでのアロマテラピーは「治療に使う」ものはたくさん存在はしますが

それを使いこなせるだけの知識をもったアロマトローグには、基本的に治療の権限はありませんし

治療の権限がある医師にはアロマテラピーを使いこなせる知恵を持った人がほとんどいないのが実態。

 

日本ではアロマテラピーはすごく普及していて

アロマを楽しまれている方が多いのはすごいなーと思うんです。

でも、「治療」という領域に踏み込めるだけの知恵と権限の両方を持っている人は

とても少ないはずですから、使い方には十分気をつけていただきたいです。

 

マッサージ(リラクセーション)目的で皮膚に塗るときは、必ず必ず植物オイルで薄めてから。

精油を飲むこともしないでください。(薄めても原液でも飲みません!)

皮膚に塗っても、粘膜に塗らないようにしてください。

(耳の中、鼻の中、目の中、口の中、膣・肛門にはいれないように!)

その人の皮膚の感じ方によって

赤くなったり、痒くなったり、痛くなったり、湿疹が出たりすることもあります。

そのときは、オイルで拭き取り、石鹸でよく洗い流してください!

 

それでもよくならない、なんかおかしい!と思ったら迷わず皮膚科に行ってくださいね。

精油はとても素晴らしい働きをしてくれるのですが

メリットが大きい分、間違った使い方をするとデメリットも大きくなります。

何かあっても、慌てず、騒がず、医師に相談が基本です!

 

安全で楽しいアロマテラピーを実践してくださいね。

 

追加の⚠️ 

FBでカンジダ膣炎の治療には精油じゃなくて芳香蒸留水のケアのレシピはありますと書きました。

これは、「ナプキンやタンポンに精油じゃなくて芳香蒸留水を染み込ませる」

と誤解した方がいらっしゃるかと思いますが、染み込ませるのではなくて、膣洗浄に使うのです。

なので、芳香蒸留水だから安全と思って、ナプキンなどに染み込ませて「密閉」しないように!

ネットの情報は、説明が行き届かないことがありますので

こと「治療」に関するアロマについては、必ず専門家に直接確かめて使う様にしてください!!

 

精油の使い方は慎重に!