こんにちは。アロマトローグのTomomiです。
12/1号のArtscapeというアートのサイトで記事を書きました。
リンクを貼るのを忘れたので、今日もリンク貼らせていただきますね。
今、ルイ・ヴィトン財団美術館でやっている
『エゴン・シーレ展』と『ジャン=ミッシェル・バスキア展』の記事。
来年1月までやっているので、その間にパリにいらっしゃる方は是非!→★
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で、突然ですが。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
鴨長明、方丈記の一文です。美しい。
これ、結構覚えているんですよね。
高校のときに暗記したんだと思いますが。
(さすがにすらすらと出てこなかったので、調べて引用しましたけど)
で、何が言いたいかと言いますと
川の流れのように
全てはおんなじように見えて中身は変化している。
その変化をひとつひとつつぶさに追うのは難しいですが
何一つ「絶対そこにありつづける」ものなどないから、変化を見ないとねーと。
つまり、アップデートの話です(こじつけ?)。
いやー、情報をアップデートしているつもりでいましたが
生徒さんからの質問で、もう答えはわかりきっているのですが
もう一度確認してみようと思ったら
とんでもない新事実が1ヶ月前に発表されていた、ということが判明。
びっくりしましたー。
なんのことかわからないかと思いますが、たいした新事実でもないので
日本でお会いしたすることがあれば直接私に聞いてください。
私の中では、最初の事実をもとに
周りの意見を聞いて「A」と結論づけていたのですが
(しかも周りにも「Aなんだって、知ってた?」とジャンジャン話していたのに)
いつのまにか「B」となっていたわけです。
つまり、私が話をしていた「A」は、今やウソと言われてもおかしくないわけです。
すべての変化を、アップデートするのって難しいです。
コンピューターみたいに「アップデートできますよ!」とむこうから言って来てくれるならまだしも
それが変化していることすら耳に入ってこなければ、アップデートはできない。
だからこそ、アップデートしなきゃと自発的にパトロールしているつもりではいましたが
ほーーーー、そんな変化が!ということ、今回に限らずなんでも起こりうるものです。
「あそこのレストラン、超おいしい!絶対オススメ!」
と吹聴していたところ、おいしいお料理を作るシェフが辞めていて美味しくなくなっていた。
そのあと、私の言葉を思い出して行ってみたら
「おいしくないじゃん!Tomomiの嘘つき、味覚音痴!」と言われるような感じです。
これ、よくある話で、パリグルメ業界ではレストランじゃなくてシェフを追わないといけません。
何か文献を読む時は、それが書かれた年を必ずチェックします。
例えばヴァルネさんが「サッサフラスの精油は**にいい!飲用しましょう!」
なんて言ってたとします。(適当に例え話をしているだけなので飲用しないでくださいね)
2018年現在、フランスではサッサフラスは一般に流通するのを法規で禁止しています。
そして、2018年現在、フランスでは飲用は危険ですよね、というアロマトローグが増えている。
さらに、2018年現在、日本では飲用は禁止だよね、という流れです。
もう時代錯誤。
だからといって、ヴァルネさんが間違っているわけではないんですよね。
1964年に出版された当時の、医師をとりまく環境のなかでは、この精油はアリだったわけです。
時代背景まで読み込まないと、ヴァルネさんの主張は理解できません。
何かを参照にするときは、参考文献は出版年と著者(どこの国の、どの流派の人か)を見ないと
本人の主張をきちんと理解することはできません。
日本の本は、参考文献を書かなかったり、一部しか書かないことで
オリジナルの著者の主張が読み取れない、あえて湾曲して読み取らせようとするものが多いです。
気をつけてー!
歴史好きの私としては、年代順に主張を並べて行くことで
「こういう流れがあって今があるんだな」と読めるので
あえてヴァルネさんなどの古い本も読みます。
が、レシピ自体は今は使えないもの(法規的にも流れ的にも)があるので
そうじゃない部分を読むのです。
いやー、今回はほんの数年の間に、私が思い込んでいた事実と違う動きがあって
アップデートの必要性を感じました。
方丈記の冒頭が思い出されて、やっぱり真をついているな、と。
鴨長明、さすが歴史に名を残すだけあります。
とはいえ、この歴史だって彼が生きた事実、残った作品は変わらないですが
解釈が変わり、評価が変わったら歴史から消えてしまうことだってあるんですよねー。
これからもアップロードのためのパトロール、強化したいと思います!