前回の続きです。
アルツハイマーとインスリン抵抗性と男性ホルモン その3
日経ビジネスオンラインの記事からです。
男性ホルモンは「認知症」にもパワーを発揮 アルツハイマー病と糖尿病とテストステロンの関係 2016年1月8日
前回はアルツハイマー型認知症とインスリン抵抗性の関係について書きました。
インスリン分解酵素がアミロイドβたんぱくの処理もする、ここがミソでした。
では、アルツハイマーと男性ホルモンテストステロン、そして糖尿病とテストステロンの関係は?
・アルツハイマーとテストステロン
こちらの記事もご覧ください。
男性ホルモンで認知症を抑制!?2013年11月18日
日経トレンディーネットの記事です。
アルツハイマー病は女性のほうがなりやすいとあります。
実際、厚生労働省の認知症対策研究班の班長、筑波大学の朝田先生の平成23年の資料(www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001kmqo-att/2r9852000001kxx1.pdf)によると、
・認知症全体の男性の有病率が女性の1.6倍
・脳血管性認知症の有病率は男性が女性の1.9倍
・アルツハイマー病の有病率は女性が男性の1.4倍
とあります。
認知症全体では男性が多いのに、アルツハイマー型は女性がなりやすいんですね。
男女の差は何?
女性ホルモンと男性ホルモンの差?
男性更年期などを専門的に研究している、日本Men'sHealth医学会のニュースレター(News Letter Vol.10 - 日本Men's Health医学会)の、東京大学大学院医学系研究科加齢医学講師 小川 純人先生の記事を見ると、
『男性ホルモンであるテストステロン分泌低下は認知機能低下や認知症発症と関連する可能性が次第に明らかになってきている。』
とあります。
日経トレンディーネットの記事には、2011年、米国内分泌学会で発表された論文(ENDO 2011: The Endocrine Society 93rd Annual Meeting : Abstract P1-314. Presented June 4, 2011)が紹介されています。
閉経後の女性にテストステロンを投与すると、明らかに記憶力が向上。
認知症の女性にテストステロンを投与すると、「認知症の進行を抑える」ことがわかったというものです。
Testosterone has protective effect on memory in postmenopausal women=テストステロンは閉経後の女性の記憶への影響を防止する。
日本でも東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座の秋下雅弘教授らによって、テストステロン値の低い認知症の男性たちに6カ月間テストステロンを投与すると、認知力が改善することが確認されたという研究を紹介しています。
認知症の予防にテストステロンが有用なんですね。
では、糖尿病とテストステロンの関係は?
・テストステロンと糖尿病
日経ビジネスオンラインの伊藤和弘氏のコラム、第一回の記事です。
男性ホルモン」が少ない人は“早死に”する アンチエイジングが本当に必要なのは「男」だ2015年11月20日
では、
米ニューヨーク州立大学の、テストステロン値が低い人は太りやすく、糖尿病にもなりやすい(Diabetes Care.2010 Jun;33(6):1186-92)という調査を紹介しています。
テストステロンは脂肪細胞で女性ホルモンのエストロゲンに変えられます。
脂肪が多ければ、テストステロンは下がりやすくなるんです。
肥満と糖尿病の関係は言わずもがなですよね。
テストステロンと糖尿病はやはり関係が深いんです。
やはり、テストステロンは大事です。
テストステロンは減らしたくない増やしたい!
そのためには?
続きは次回に。
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