ついつい私たちは、こんな症状にはこの精油がいいですよってことになってしまうんです。
精油の作用や適応症など、勉強したから、その効果を知っているから、仕方が無いことかもしれません。

 でも、香りは何度も書いているように、野生の脳、大脳辺縁系をダイレクトに刺激して、まず、好き嫌いが感じられるものなんです。

 その、いわゆる直感を信じてみるのが、いい精油選びになると思います。

 香りを嗅いでみる、「いいかおり!もっと嗅いでいたい!」と感ずれば、それがそのとき必要な香りなんです。

 ある女性が、精神的に病んで入院する程だったとき、アロマショップで精油を嗅ぐ機会があったそうです。その女性はその時アロマの知識は無く、いろいろな香りを嗅いでみたそうです。そして、メリッサを嗅ぐと、その精油の瓶が離せなくなったそうです。精油の瓶を置いて、アロマショップを出ようとしたのに、どうしても香りが嗅ぎたくてとうとう買って帰ったそうです。

 メリッサ
メリッサ
学名 Melissa officinalis
 シソ科の多年草でレモンバームともよばれています。抽出部位は花と葉。抽出方法は水蒸気蒸留法。鎮静、緩和、抗菌などの作用がありますが、なんといっても深い悲しみから救ってくれるのがこの香りです。収油率が低く、大変高価な精油です。2mlで1万円ほど。
 こんなに高くても、それだけの効果があって、ニーズがあるということです。

 効果じゃなくて、直感でっていいながら、何をたらたらまた効能ですか、ですよね。

 そうです、効能じゃなくて、あの女性は、アロマのことを知らず、香りでメリッサを買ったわけなんです。必要だったんですね。

 続きがあります。その女性、心の病から立ち直ったんです。すると、メリッサが必要じゃなくなったそうです。そして、その後、精神的に危ないと思ったとき、メリッサを嗅いでみるそうです。「あまり必要だと思わない。まだ大丈夫。」って思うそうです。

 そうなんです、香りで自分の精神状態を計っているんです。そんなこともできるんです。

 香りは、本能に届きます。本能が私に教えてくれることに、耳を傾けようとおもいます。

 目と耳をとじて、野生に帰るのは、なかなか難しいです。