一般意味論的例題 その2 | ヤマ猫のブログ

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瞑想、精神世界、NLP、催眠療法などなどについての雑感。





今回は、次のようなビリーフを持つ人を題材にしましょう。

『私は成功しなければならない』
『成功するはずだ』
『私は絶対成功する』

『成功哲学』や『ポジティブシンキング』『引き寄せの法則』などによると、目標の達成や、よりよい人生を歩む指針として、理想的な自分の姿をイメージとして定着させ、それを肯定的な言葉にして、繰り返し自分に語り掛けることが推奨されているみたいです。

人生やビジネスでよりよい成果を出したいと、普通、誰もが思うことでしょう。

であるからと言って、『私は成功しなければならない』とか『私は絶対成功する』などの主張は、実のところ、かなり非論理的なビリーフです。このようなビリーフはうまく機能してくれれば、その人を成功に導くかもしれません。しかし、時として、そのビリーフが制約となって、マイナスに働くこともありうる点には注意したほうがよい、と思います。

『私は成功しなければならない』や『私は絶対成功する』などには、一種の『完全主義』のニュアンスがあります。

『私は成功しなければならない』と無意識レベルから、ガチガチに信じ込んでいると、時に、失敗を恐れるようになります。それは、クラスの仲間の前に立って、簡単なスピーチをする程度の場合ですら起こりえます。その人は、失敗を恐れるあまり、皆の前で体が震えたり、頭に血が上ったり、声が出なくなったり、どもってしまったり、さらには、話そうと思っていたことを忘れてしまうこともあります。緊張のあまりあがってしまう、という現象です。

私も、最初に就職した企業の面接のとき、公的プロジェクトを受注するときの審査のプレゼンテーションのとき、そして知り合いの結婚式でのスピーチを頼まれたとき、このような経験をしました。つまり、コンテキストによっても違いがありそうです。しかし、この例から見るに、私自身、一種の『完全主義者』的な側面があるということは、言えそうです。

『私は絶対成功する』というビリーフを持っている人のうち、どれほどの人が実際に成功しているのか、実証データを私は見たことがありません。

なるほど、世に偉人と呼ばれる、優れた業績を達成した人たちがいます。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ベートーベン、ゲーテ、アインシュタイン、などなど。そのような成功者は『自分は絶対成功する』というビリーフを持っていたのかもしれません。

何人かの成功者が『自分は絶対成功する』というビリーフを持っていたという事実は、決して、『自分は絶対成功する』というビリーフを持つと成功するという主張の証明にはなりません。

それどころか、「『自分は絶対成功する』というビリーフを持つと成功する」という主張は、論理的には真理ではありません。反例が一つでもあれば、真理でないことの証明ができます。それは簡単! 反例は私です。

NLPのメタモデルでは、クライアントが『私は成功しなければならない』とか『私は絶対成功する』と言ってきた場合、そこに、一般化の兆候を見て取ります。そして、そこにある一般化を論駁する質問をします。ということは、ここでは、クライアントが非論理的な発言をしている、と考えるわけです。

つづきはこちらで。
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