ボストンで産前産後のケアをしています、助産師(日本資格)のIkuyoです。
ボストンにいる時は個人的に依頼いただいたクライアントさんのところに訪問ケアに行ったり、日本語の両親学級を行っています。
日本では助産師なので、日本助産師会にも所属して、日本の企業 じょさんしGrowbal.inc をフリーランスのスタッフとしてお手伝いさせてもらっています^ ^
こちらでは日本内の企業さんの福利厚生の一環として、オンラインで出産子育ての相談乗らせてもらったり、
海外で出産育児されている方の相談(私はもっぱらアメリカ地区担当)、ヨーロッパ地区や中国、タイなどのアジア地区に住む助産師のスッタフにいるので、世界中の育児情報が共有できて、コネクションなどもしています。
これって、助産師としては本当に面白い
世界中の出産育児って様々で、子育てはメイン養育者(母親のことが多いのですが)の文化的背景が色濃くでますよね。
それでも、住んでいる地域に馴染むのも必須ですから現地ならではの情報がとても大事になってくる。
駐在で引っ越してくる方、大学院生活を送る方、研究員としてくる方、国際結婚の方、
自分自身で検索していると、情報の偏りや閉ざされた情報になってしまうので、1人で悩まず、まずはじょさんしONLINEに相談しにきてくださいね
逆子と言われたら
さて、
日本では逆子の出産は初産経産に関わらず、帝王切開になりますよね。
うちの19歳の双子は、双子だからもあるのですが、妊娠全般を通して逆子、切迫早産で入院していました
過去にこの事を書いているので良かったら読んでみてくださいね↓
逆子…、
されど逆子。
アメリカでも帝王切開なのですが、日本の経過とは少し違うのでその話に触れたいと思います。
アメリカの妊婦健診🇺🇸
まず、
アメリカの状況として何度か触れていますが、アメリカの妊婦健診はそもそもエコーが少ない!
これは本当で、規定通りなら3回だけです。
妊娠初期(ファースターム)、中期(セカンドターム)、後期(サードターム)に1回ずつ。
妊娠初期は心拍確認、胎児異常がないかのためのエコーなので、
それ以降の週数が進んできた時点の赤ちゃんがどのくらいの大きさか?心拍は?頭の位置は?
など毎回みません
妊婦健診はママからの主訴と子宮底の長さで成長の滞りがないか、胎児心拍の確認あとは全体的な体調のことのみです
出産前検査を保険内でほとんどの方が受けているので、経過に問題なければ順調に発育しているということになります。
早産の既往がある方に関しては、次回の妊娠で初期にいろいろ対応することもありますが、
胎児の成長に関して行うエコーにコストと時間をかける必要がない、というのがアメリカ(たぶん諸外国)のクリティカルパス規定だと思います
日本の産科受診では、毎回エコーチェックがあるのは羨ましいですよね。
若い先生や助産師の技術向上にとっていい機会になっていることでもあります。
自費になっても、日本の3D、4Dのエコーは出産回数が少くなっている現代の出産適齢期女性にとっていい記念になるわけです。
それでもアメリカ🇺🇸
エコーは必要なら回数は増えます。
年齢的なこと(35歳以上)、
自分に何か持病がある、
コロナもそうですが、妊娠に影響する感染症に罹った、
妊娠糖尿病になった、
胎児の疾患が見つかった
など
胎児エコー専門のセンターに通い、回数も精度も濃密に評価されます。
さて、逆子らしい…🇺🇸。
アメリカでは2回目にあたるエコーで(中期28週前後)指摘されるのですが、この時期は戻ることもよくあるので、特に産科の先生からは何か特別なことをした方がいいなどの指導はありません。
次の健診の時にさすがにチェックしてくれるでしょう?
いやぁそれはないない
そう、よっぽどでなければないのです。
つまり
3回目の後期のエコー36週前後までそのままということもあり
その時期に逆子だった場合、おおよその帝王切開の日程を決めていきます(だいたい38週台)。
もし経膣分娩をしたいという希望があれば、37週台で医療監視化の元、外回転術(ECV)を行います。(external cephalic version )
基本、産科医(エキスパート産科ナースが行うこともある?)が行いますが、外回転術を行う時はリラックス薬と張り止め薬が使われ、エコーで赤ちゃんの向き、臍の緒の関係、胎盤の状態を確認して、頭が下に行くようグイグイ押しながら誘導していきます。
何度かトライして、終了後指定された時間帯約(半日くらい)病院で待機して、赤ちゃんに問題なければ退院となります。
体位が戻っても赤ちゃんに心拍が辛そうなこがあればそのまま帝王切開ということにもなります。
逆子のへのアプローチ
私も外回転術は助産師の学生時代に教わりました。
見たことはありますが、自分で実際にはやったことがありません。
日本では
胎児に直接アプローチして母親のお腹を押しながら体位を治す粗療法は医療機関だとしてもリスクが大き過ぎるのでやっていない?もしくは、やっていても大きく公表していないと思います。
それでも、
日本では毎回エコーが行われるので、
早い時期から逆子体操や、寝る向き、鍼や灸などお腹を直接触らず、ママさんが身体を整えて、赤ちゃんに自身にまわってもらうというアプローチができます。
アメリカでは逆子体操や鍼灸の治療効果はエビデンスが少ないので、病院も積極的に進めませんので
外回転、ダメなら帝王切開という説明がいくそうです。
それでも他の側面で、
逆子ケアのアプローチとしあるのがアメリカ🇺🇸はカイロプラクティックです。
アメリカでは専門の大学があり、卒業するとカイロプラクティックドクターとして診断と治療ができる代替医療の専門家がいます。
カイロプラクティックの技術に胎児が頭位となるよう母体の骨格、子宮を支える靭帯のアプローチする手技(Webster Technique)があるようです。
なので、アメリカでは中期28週前後のエコー検査で逆子を指摘された場合は、住んでいる地域のお近くのカイロプラクティックドクターに問い合わせてみるのもいいのかもしれません。
それでも第一選択は
初産なら経膣に挑むために色々トライするよりは、帝王切開の選択に大部分がなるでしょうね。
なぜなら、アメリカでは1人目帝王切開でも、2人目は経膣分娩を積極的にトライさせてくれますから
自分の陣痛さえくれば無痛分娩できるし、分娩が停滞しても吟味して促進などもします。
経験上出産に医療者がたくさん関わってくれるので、VBACKという前回帝王切開者の経膣分娩はスムーズに出産になっている印象です。
うーん、でも経産婦さん
悩みますよね…。
帝王切開の産後ってどうなるの??
上の子も赤ちゃんも抱き上げることができるの?
大変だっていう噂本当?って
オンラインの可能性
そんな中、じょさんしONLINEのご相談で逆子のご相談が入りました。
オンラインですので、何をどうするというよりも
状況をお聞きして、ご本人がやっていることの状況に寄り添うだけなのです。
大々的にうたっている逆子治療します!という
鍼灸、整体医院は結構あります。
YouTubeとかチェックしたらたくさんUPされていました。
アメリカって全米的にだと思いますが、鍼灸、整体自体をそんなに目にする訳ではないんです
特に日本語が使える施術者は少ないから簡単に探せないし、予約が取れなかったり手軽に行ける状況じゃない。
関われる時間1ヶ月くらいと限られているので1-2回やっただけで戻っている可能性は低いだろうし、体位が戻ったかも確認できないって訳です
うーん
体位が戻る可能性の低くなる正期産の短期決戦。
あとは赤ちゃん自身の気持ちが動いててくれることを願うだけ。
気持ち的にも、寄り添う人は必要になってくるのかもって思いました。
それはオンラインでもできる!!
そうなんです。
エコーが少ないアメリカでは、このチャンスを上手く使うため、エコー技師さんに確認するポイントをリストアップ。
そうです、エコーは毎週毎回ではないので…。
この感じが赤ちゃんのこの部位だ、という自分の身体の感覚に向き合ってもらう!
これはが赤ちゃんが動いてきた時に自信になってくると思うんですよね。
それに自ら動いて逆子をどうにかしたい!という意向がある場合、
効果的に自分の身体を使って欲しいので、アメリカで受けられる代替療法のお話なんかもします。
そんな場合は
現地の施術所に通っても、英語だとしてもメールのやり取りをすることで、後から何度も読み返せるので理解することは可能ですよとお伝えしています。
ママさんに
なぜこの動きが必要なのか?
赤ちゃんが回るスペースの確保のため、自分身体を動かしてイメージしてもらうこと、
これが1番大事
別の視点で
そして、別の視点としてですが、
「どんなに自分だけで努力しても効果が見られないこともある」
ということ。
その場合、
お腹の中でしか分かり得ない赤ちゃんの事情があるんですよ!!
と赤ちゃんの声も代弁してあげるようにしています。
なにって、うちの子たちもそうだったので
どんなに願っても良かれと思って動いても、一切下に頭を持っていかなかった2人
胎盤の臍帯が限りなく辺縁付着で子宮入り口付近、頭を下に向けたら血流もいかないし、破水したらぜったい臍帯が脱出するじゃないですか…。
だから帝王切開でよかったって今は納得しているんです。
「帝王切開も悪くないってこと」
ここまでしても、
向きを変えないのは必ず理由がある。
きっと、大丈夫
そんなわけで、
クライアントさんの努力は実を結びました
外回転を行わずに、
予定予定帝王切開の直前に、
それでも、
アメリカの計画誘発分娩は39週以降しかできないという規定があるので、
1週間弱、自宅で頭がは下のままでいてくれるよう過ごし、
出産されました。
ご本人はやれることを全てやったんだと思います。
現地の直接関わってくれた医療者の方もとてもとても気にかけてくれたそうで、
ベビーちゃんにもその気持ちしっかり伝わったんですね
出産も育児は大変で逃げ出したくなっても、
きっと、大丈夫
寄り添う人が必要ならいつでもお声掛けください!
向き合った努力はちゃんと納得できるようになっているって、そう信じています
今日はここまで