さやえんドッグ、龍に乗る?! ⑭ | さやえんドッグ 旅に出る! 〜トウとフウのハンドメイド童話〜

さやえんドッグ 旅に出る! 〜トウとフウのハンドメイド童話〜

童話作家を目指していたトウは、ある日ひらめいた!
\さやえんドッグって可愛いかも!!/
フウがサラサラ絵に描いて、トウが羊毛フェルトでチクチクしたら、やたらと元気でやる気MAXのヒーローが誕生!さやえんドッグの旅、みなさまどうぞお楽しみくださいませ♪

ぼくは、さやえんドッグのさや王。
「美しい青の泉をとりもどす」という
ブルーベリー姫の願いを叶えるため、
ぼく達は、まず、
泉の周りの草刈りから始めた。


「さや王様、この草は
どこへ運びますか?」
「周りの木の根元に埋めて、
肥料にしましょう。青龍さん、
よろしくお願いします!」
「それにしてもすごい草だな。
刈っても、刈っても、
まだまだだぜ、さや〜。」
「大丈夫だよ、たま。
始まれば終わる、さ!
さあ、もうひとがんばりだ!」


「だいぶきれいになってきたな。」
「たま、あの泉に浮かぶ泡は
どうしたらいいかなあ…。」
「さや王様、私に任せてください。
この青龍なら、一息で消せますよ!」
「本当か、青龍!
さっそくやってくれよ!」
「青龍さん、お願いします!」
「はい、お任せください。
さや王様、たま様。
飛ばされないように、私の後ろに
かくれていてくださいね。」
青龍はそう言うと、
泉を見下ろし、大きく息を吸って…


ブオー!

すごい勢いで息を吹きかけた。

すると、


パチン、フワン、パチパチン 

泉を覆っていたにごった泡が消えた。

「青龍すごいぜ!やるなあ~。」
「青龍さん、ありがとう!」
「いやぁ〜、これぐらい。
私もお役に立たないと。」
ぼく達が喜んでいると、
ブルーベリー姫が現れた。


「さや、たま、青龍、ありがとう。
泉がこんなにきれいになった。」
ブルーベリー姫がにっこり微笑んだ。

すると、


にごっていた泉の水が
少しだけきれいになった。

「お姫様が笑ったら、
泉がきれいになったぞ!」
「ブルーベリー姫、お姫様のお心が
癒やされたのですね。
うれしいなあ!」
「ああ、みんなのおかげだ。
こんな晴れやかな気分は、
久しぶりだ。」

「さや王様、たま様、ご無事でしたか?」
声の方を振り向くと、そこにいたのは、


「やしのみぼうや、お父さん、
お母さん。来てくれたのですね。
ご心配をおかけしました。
ぼく達は、元気ですよ。今、
この泉をきれいにしているんです。
ブルーベリー姫に頼まれて。」


「うわぁ~、きれいなお姫様!」
「おお、やしのみぼうやか。」
「へぇー、ぼくのこと知ってるの?
お父ちゃんは、この泉には、
こわい紫色の大女がいる
って言ってたけど、
嘘っぱちだったんだね。」
「いやぁ…それは…。」
「ねえ、お姫様。
いっしょに遊ぼう!」
「私と?私といっしょに
遊んでくれるのか…?」


泉の色が、また、
一段と明るくなった。






つづく