妊活中の男性の方必見!!精子精液機能検査の導入について | 医療法人社団 晴晃会 育良クリニック

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中目黒アトラスタワーにある産科・婦人科・生殖医療科の病院です。
病院のお知らせなどを載せていきます。

ご無沙汰しております。

最近、ブログやInstagramなど更新が滞っており大変申し訳ございません。

ネタなど皆さんに伝えたい情報はたくさんあるのですが、なかなかそれをまとめる時間が作れず・・・。

(という、言い訳になってしまいました・・・)

気持ちを切り替えて、更新をしていきたいと思います!!

 

さて、11年ぶりにWHOが『ヒト精液検査と手技 WHOラボマニュアル第6版(WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen 6th edition)』を発表し精液検査の基準値などが変更されました。

精液検査の基準値は前回と大きく変更された箇所はありませんが、以前のマニュアルに見られなかった新しい評価項目として、『精子DNA断片化検査』や『精液中酸化ストレス測定』などの精子の質を検査する項目が加わりました。

 

精子は、酸化ストレスなどのダメージでDNAが損傷することがあります。

男性不妊患者では、自然妊娠が可能な男性と比較するとDNAの損傷を受けた精子の割合が多いとされています。

DNA損傷した精子の割合が高いと、自然妊娠や人工授精での妊娠率低下・胚盤胞達成率の低下・胚移植率の低下・流産率の上昇に関連するという報告があります。

しかし、精子の数や形などの一般精液検査だけでは調べることはできません。

 

WHOの精子ラボマニュアルの改訂などに伴い、当院でも精子の数などを検査する一般精液検査のほかに『精子の質』を検査する項目を導入しました。

  • 精子クロマチン構造検査(SCSA)

正常な精子・未熟精子・DNAが損傷した精子を異なる色に染め分け特殊な機械で観察すると、下の図のように精子が青い点で表示されます。

赤色エリアはDNA 断片化指数(DFI: DNA fragmentation index)といい、DFIが30%以上であると人工授精よりも体外受精(IVF< ICSI) で妊娠率が高いことが報告されています。

緑色エリアは高 DNA 染色性(HDS: High DNA stainability)といい、HDSが10%以上であると人工授精よりも体外受精で妊娠率が高いことが報告されています。

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  • 抗酸化力検査

精液には抗酸化物質(ビタミンC 、 リコピンなど)が含まれていますが、人によってその濃度は異なります。

不妊男性では精漿中の抗酸化物質濃度が低いことが報告されています。

抗酸化力検査では酸化すると色がつく物質を利用し、精液サンプルに含まれる抗酸化物質の濃度を測定します。

SCSA検査と併用して行うことで、DFI値が高く抗酸化物質が低い場合であると、抗酸化物質が少ないことによる酸化ストレスの影響が予想されます。

 

 

現在、生殖医療に通院中、現在または今後妊活を考えている方など、どなたでも検査可能です。

検査の詳細や希望は当院にてご相談ください。