今回は、採卵して受精後の卵たちを育てるお部屋『インキュベーター』について紹介します。
インキュベーターは、胚(受精卵)の成長にとって一番理想的なお母さんのお腹の中の環境を再現するように作られています。
胚を観察するためにはインキュベーターから外へ出さなければなりません。
しかし、胚にとってインキュベーターの外に出すことは非常にストレスであり、その後の成長に影響を与える可能性があります。
胚を観察することは必要不可欠な操作であるため、いかに短時間で効率よく胚を観察するかは我々培養士にとって悩みの種でした。
そこで、カメラを内蔵したインキュベーターがこの『タイムラプスインキュベーター』です。
インキュベーターの外に胚を出すことなく、胚の成長を連続して観察することができ、受精やその後の成長の過程で起こる現象を見逃すことなく培養できます。
また、これまでの観察方法では確認できなかった様々な現象を観察することもできるようになりました。
また、当院のタイムラプスインキュベーターは人工知能(AI)を用いた「前核自動検出機能」を搭載しており、より正確な受精判定を行うことができます。
下の図のように前核(精子由来と卵子由来の核)を色付きで検出してくれます。