卵子について① | 医療法人社団 晴晃会 育良クリニック

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中目黒アトラスタワーにある産科・婦人科・生殖医療科の病院です。
病院のお知らせなどを載せていきます。

皆さん、こんにちは。

生殖医療 培養部 富田です。

 

私たち、胚培養士は患者様の卵巣から採取した卵子を体の外で受精させたり、受精卵を培養・観察し、育った胚(受精卵)を凍結保存したりとたくさんの作業を行っています。

 

今回は『卵子』をテーマに複数回に分けてお話していきたいと思います!!

 

皆さんもご存じの通り、卵子は卵巣の中にあり、そこから排卵され卵管にキャッチされその後、精子と出会い受精します。

 

では排卵される前の卵子はどのようにしているのかというと、『卵胞』という袋の中に卵子とホルモンを分泌するいくつかの細胞に取り囲まれた状態で存在します。

そして、卵巣にはこの袋が多数存在します。

多数存在しますが、これは毎日新しい卵子を作っているわけではありません。

 

実は、卵子はお母さんのおなかの中の胎児のときに一生分の卵子を作ります。

 

胎内にいるとき卵子の元となる卵母細胞が作られ始め、ピークは妊娠5か月頃でその数は約700万個に達します。そこから急速に減少していき、生まれた時には約200万個、思春期頃には約20-30万個にまで減少します。そして、約1000個以下になると閉経となります。

 

参照:日本産婦人科学会著書『HUMAN+男と女のディクショナリー』

 

生涯にわたり排卵する数はわずか400~500個です。

月経がはじまると約1000個の卵胞が発育し始め、3か月ほどかけて成熟していきます。

排卵の際は、そのうちの一番質の良いのが選ばれるとは限らず、その月経周期に一番早く大きく育った卵胞が1個排卵し、残りの卵胞は卵巣内で吸収されなくなるとされています。

 

また、数が減るだけではなく排卵までに長い間とどまっていると染色体異常などによる卵子の質の低下に繋がってくるという事になります。

 

では、次回は卵巣予備能の指標であるAMHについてお話いたします。