病室に私が着いたとき
とらままは一人で痛みに耐えていた
一人目も二人目もご主人が付き添っていてくれたが
今日はあいにくの出勤日でまだ居ない
私はあのぎこちない腰擦りを開始する
なんだか今までよりも時間が全然ない
ビデオを構える暇もない
いや、あったが
痛がっている人を目の前にして腰から手を離すのが気の毒である
私が到着するまでにそこそこ進行していたので
もういつ産んでもいい状態にすぐなった
ご主人に電話する
勤務先から走って駆けつける
朝の雪と雨でやはりタクシーが捕まらず走ってきたのだ
ああそうだ!
せっかくの瞬間をビデオに撮らなくては
、思っているうちに
産まれた
それは静かに
あっという間に
それでいてゆっくりであった
おめでとう
全然ビデオに収められなかったけど
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