『どん底。』 | -----この世界に映る偽りという名のボク。

-----この世界に映る偽りという名のボク。

基本書いているのは短編という名の自分がふと思ったことです。
誰かの心に留めていただけるような文章が書けるように日々頑張っています。

 ---よく”どん底”って言葉を聞く。


 でもそれはなんだか客観的な言葉だ。

   本人にとっては違うかもしれないし、

    他の人にとってはまだその事はどん底では無いのかもしれない。


 …じゃぁ、本当の”どん底”ってどれくらいの出来事なんだろう。


 やっぱり 死ぬ事なんだろうか。

  でも、死ぬのを望んでいる人もいるよね。

    いや、それを望んでいなかった人にとってはどん底なのかも。


----だけど 生きているからこそ”どん底”を味わうわけで。

     生きていなくちゃ 感じられない。


だから  

   死ぬ事は  どん底ではない  と思う。



…じゃぁ なんだろう?



まぁ どんな苦しみを味わったとしても

  その苦しみに負けなければいくらでも人は立ち直れる。


たぶん どん底から這い上がってきた人が誰よりも強いと思う。

  そして 優しいと思う。


だってその人はどん底を味わった事によって

  同じような思いをした人の気持ちが分かってあげられるから。


例え 味わっていない人と同じような言葉を言ったって

  重みが 思いが違う。


どん底を味わっている人にとって

 苦しみを味わわずにそれまでいた人に言われたって

   ただの”きれいごと”にしか聞こえない。


だって そうだろう?

 

その人には どん底を味わった人の気持ちが分からないのだから。


だから 何気なく ひどいことを言ってしまうことも多々あると思うんだ。

  味わった人を励まそうとした言葉は

    逆にその人を傷つける武器になってしまうんだ。


そしてその言葉を言ってしまった本人は気づかない。

   …なんとひどい話だろう。


…同情は なにも生まないんだよ。


味わった人を傷つけるだけ。


そうなることを分かっているから

  味わった人は人に深く関わらないようにする。


…怖いから。


自分に関わって他の人を傷つけるのが。

  自分も もっと傷つくから。


だから どん底を味わった人は   

  自分の気持ちを偽るんだ。


自分の気持ちに気づいて欲しいけど

   気づいて欲しくないから。


心に触れて欲しくないんだ。

  優しくされたら 気づかれてしまうから。

    甘えて しまうから。


それに…自分自身が壊れてしまいそうで。


年月を重ねれば重ねるほど

  心のバリアは厚くなる。


だから 今まで触れられなかった分

  今まで積み上げてきた”自分”が壊れてしまいそうで怖いんだ。

”どん底”を知って 一度自分を失って
  次に得た自分。

それを失ったら、次は一体どうなるのかって思ってしまうから。

でも それでも 人と関わる事は
  避けようが無いんだ。


それはきっと苦しい事。
  人の優しさほど怖いものは無いから。

人の優しさは 心の柔らかいところに触れてしまうから。
  

…でも、どこかでそれを望んでいる自分も入るんだ。
    ----誰か助けてって。

誰にも届くはずの無い声をいくら出したって
   誰も気づくはずが無いのに。

何で叫んでるんだろう。


----- ” ダ レ カ タ ス ケ テ ” 

                        って。

今まで真っ暗だったから。
 誰か 手を差し伸べてって。

一人の時は そんな考えがめぐって

  泣きそうになって。


…でも 涙はあの時使い果たしてしまったから。
    もう 出なくなっちゃったよ。

----どんなに泣きたくても  もう 泣けないんだよ。

 と そっと呟いてみた。
  

 でも その言葉はやはり誰にも届かず
    風に吸い込まれて。


…一粒だけ出た涙と一緒に。

そんな事を繰り返しながら
  今日も人は笑って生きていく。

たとえ それが本当の笑顔じゃなくても。


 

---- どん底っていうのは

     丸い地球に住んでいる人が落ちるところ。
       でも 丸い地球に住んでいるってことは  

         下へ下へ行ったら 反対側に出るって事。


つまり 辛い思いをした人ほど上にいけれる可能性が
   高いんじゃないかなって思うんだ。


だって、反対側についたらそれは”どん底”じゃない。
  ただ スタートラインに戻ってきただけ。

また 一からやり直せばいい。


でも 人間は弱いから。
  だから  どうか貴方の気持ちをわかってくれる人が
    貴方の前に現れますよう。



----幸せになれない可能性の無い人間なんて

                   この世に居ないのだから。