変性意識には、方向性があります。


例えば森と海は、どちらも自然の変性意識という括りで理解されていますが、それぞれ変性意識の”質感“は異なります。


森はなんとなく、しっとり静かに、内に深まる感じがある一方、海は開放感と広がり、精神のキャパシティに関わる質感がありますよね。


この質感の違いが、方向性の違いということになります。



もちろん情報空間における座標のイメージで捉えて頂いても差し支えありません。


瞑想中、「森」を意識する時と、「海」を意識する時とでは、意識するポイントが微妙に違うことが分かると思います。


その違いを方向性の違いとして理解しておくと良いでしょう。



ちなみに更に一歩進んで、超情報場理論で考えてみると、方向性は「場の傾き」として理解できると思います。


森場と海場は、それぞれ場の傾き具合が異なります。


場の傾きが違うということは、その場にアクセスした際の気の出方や感じ方が変わるということを意味しています。



それはまるで、質量が空間を歪めた結果として現れる重力と同じようなものです。


場の傾斜が、変性意識の方向性を定め、場にアクセスする者の振る舞いを決定づけるということですね。



これらの知識は、人を動かしたり、リーダーシップを発揮したりする際に非常に重要となります。


なぜなら人は、場の傾斜により突き動かされるからです。


抽象度の高い次元における場の傾斜が、精神状態から物理的な行動まで、広く反映されるということです。



例えば会社員であれば、出社した際にその日の行動の方向性と心理状態の約90%くらいが、無意識的に決まります。


立ち居振る舞いから言葉遣いまで、モードが切り替わる感覚もあるはずです。



他にも、レストランやカフェに行った際などの行動も、全て場の傾斜で説明することができます。


レストランとカフェでは場の傾斜が異なるため、入店と同時にお客さんの振る舞いに差異が生じます。


もちろんレストランの中でも、フォーマルコーデで挑む高級フレンチレストランなのか、ファミリーで気軽に楽しむレストランなのか、場の傾斜により、細部まで規定されることが多いですよね。



これら全て、場の傾斜によるものです。



それでは今回は、自分の手で情報場に傾斜を付けるヒントを一つ、ご紹介します。


例によってハイレベルになりますが、僕のブログ読者であれば、いけるはずと信じてます。



まず、場の傾斜がそもそもどうやって生まれるのかというところから。


場の傾斜は実は、場を生み出した本人が「場に傾斜を付けよう」と意識せずとも、無意識的に、ある種自動的に形成され始めます。


超情報場理論の前提を成す生命素粒子が、自律的協調的に働く機能を持つからですね。


厳密には、「場を作ろう」と当人が意識した瞬間から既に、傾斜が発生しているイメージで大丈夫です。



したがってその傾斜の元となるものは、自我由来の煩悩ということが分かります。


場の傾斜は、その場を作り上げた中心人物の煩悩とにより生まれ、後々、場の参加者や後継者により強化されていくということです。


ということは、場に傾斜をつけるためには、煩悩を利用するのが一つの手となると言えるでしょう。



ただし、煩悩は煩悩でも、


「どういう煩悩を利用するか」


により、傾斜の度合いは変わるため、注意が必要です。



例えば、「自分だけが得をしたい」という利己的な煩悩を全力で発揮してしまうと大抵、変な傾斜が生まれます。


こちらは傾斜というよりも、「歪み」に近い。


この歪みに巻き込まれてしまうと、場にアクセスした人自身にも歪みが生じてしまい、全体として場の雰囲気が重たくなります。


分かりやすく言うと、ブラック企業。


中心人物だけが得を実感しやすくなる、歪な場がそこに生まれてしまうわけです。



そうならないために私たちは、「外向きの煩悩」をフルに発揮して場を作り、場に傾斜を付けていくことが求められます。


少なくとも僕は、「自分だけが得をする場」は趣味として公共空間の外に設定しておきつつ、「自分を含めたより多くの人に益のある場」を意識して場を設計しています。



特にここでは「自分を含めた」というのがポイントです。


もちろん利他を実践することは素晴らしく、そこに異論はないのですが、「自分の利益」を完全に消し去ってしまわなくても大丈夫です。


他者に益があるのと同じくらい、自分に益があっても問題はないと思います。(コーチングは別)



ただし、自分向きの煩悩はほどほどに。


逆に他者向きの煩悩は、どれだけ大きくなっても構いません。


先日の記事に書いたように、セルフィッシュな煩悩を実現させるためのエネルギーを高めに高め、勢いそのままに「他者のための煩悩」へと変換することができれば最高です。


こうして生み出せる場の求心力は、それこそ苫米地博士の場みたく、強力なものになると思います。



より多くの人を巻き込み、全体として利益を享受できる環境を作っていきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


煩悩の上手な使い方が、利他の実践をサポートしてくれます(^^)



*現在募集中の遠隔セッションでも場の傾斜の感覚は重要になりますので、その感覚が開くよう、強めに働きかけを行います。