最近こういう、女の子の顔が大きく描かれた表紙が多い気がするんだけど(きっと出版界では流行ってるんだろうけど)、個人的には好みじゃない。

この本も、古代エジプトの話かと思われるタイトルなのに、表紙に描かれた少女は現代日本の女子高生にしか見えないので、最初は手に取るのを敬遠してた。
だってアジア人にしか見えない…
しかし最終的には、古代エジプトが舞台であることや、ファラオというタイトルに興味をひかれて読んでみることにした。

ちなみに、この表紙のファラオっぽいエジプト美女は物語中に出てきません。尚更、なんでこの表紙にしたんだろう?(1つ、考えられる答えはあるんだが解釈違いだと思う)



ところで物語の方はというと、面白かったし満足してる。
まずは、なかなかそこらに見かけない設定だったのが面白かった。
主人公はセティというエジプト人なのだが、なんとミイラなのだ。ミイラなのだが、ある理由により3日だけ生還したのである。

その設定のあり得なさに目が点になりながらも、それはサラッと流した上で話が進むところが、ツッコミたいけど封じられて目を白黒させられるような面白さがある(褒めてます)。

ということで、セティはミイラだが動ける。しかも下半身は木製なのだが歩いたり、話したりできるのだ。
生前の知人を訪れると、みんな当然驚きつつも「セティじゃないか‼︎」と言ってくれるのだが、ミイラになったはずのセティの顔はどうなっているのだろうかと、変なところが気になってしまった私であった。
死後半年経っているミイラでもセティとわかるのか…?
(やっぱりここでもツッコミたくなる私)


ちなみに、セティはファラオではなく、上級神官書記という高官であった。
当時の風習は知らないけど、一般人もミイラになったのだろうか?
あるいはセティは良い家柄の高官だったので、ミイラにしてもらうことができたのかもしれない。

さて、セティの記憶にはないが、現状から考えると自分は死んでしまい、友人の有名ミイラ職人タレクが自分をミイラにしてくれたに違いなく…
成仏?するために必要な、欠損した体の一部を探すために蘇ったセティは、まずは知人友人を巡り自分の死因から調べていくが、そうするうちに思いもしない大事に巻き込まれていくのだった。


新刊だしネタバレは無しで、読んでみていただきたいと思う爆笑
セティの死の謎、先王アクエンアテンのミイラの謎、セティと友人タレクの間の秘密とは…
物語中にいくつもの謎が仕込まれていて、その謎解きは楽しく読めた。
しかしセティの死の真相はひどいと思うよ…

物語中でセティに秘密があったことを何度か匂わせられるのだが、それが何だったのか、最後まで読むと「あっ」と思うだろう。
楽しかった!