ブログを読ませて頂いてる方とたまたま同じ本でした。奇遇!

垣谷美雨さんを読むのは初だったと思うのですが
好きかも。この作家さん。

少子化対策のため、抽選で選ばれた相手と強制的に見合いをするという法律が可決され、
そこから真剣に結婚について考えざるをえなくなった若者たち。

まあ有り得ない法律なので、お話としての前提ですが
そこからあぶり出される問題は現代のことをよく調べて書かれてるんだなあと思いました。

何故結婚するのか?から、自分の好みのタイプまで、
実は自分が自分をよくわかってなかったこと。

依存し合う母娘や、娘を監視するように重たい母、
それらに問題があることに娘たちは気づいていきます。
他にも、今までモテたことがなく、情報に踊らされ、自信が持てない男子など。
みんなどうしたらいいのかと一生懸命悩みながら生きているんだという描き方に、
垣谷さんの温かい目を感じました。

最後の方では、お見合い結果にかかわらず
自分の気持ちに従って人生の選択を決める登場人物たちに、エールを送りたい気持ちになりました。

それにしても、3人断ったらテロ対策支援隊や、離島送りのペナルティがあるという
思い切った設定をよく書けたなあ〜。

どっちつかずで放置するといった抜け道を取る人が増え、困った政府は法改正。
独身税を課して独身宣言を認めるなど、「こうなったらこうする」想定が大胆かつ妙に現実的。

誠に勝手な想像ですが、
垣谷さんと女友達数人が集まったとき、ゴハンでも食べながら
近況や世相などのあれやこれやについて気になった世間話を喋っていて
このお話が生まれたのではないかと思っちゃいました。
女の想像力ってリアルですから。