以前、NEWSWEEK日本版が上記のようなタイトルの特集を組んでいます。
「その薬は安全?製薬業界を蝕む隠ぺい体質」というタイトルの記事が掲載されており、その中で「製薬業界では臨床試験データのデータ隠しは日常茶飯時、半数のデータは公表されていない可能性がある」と記載されています。
世界的にインフルエンザが蔓延して2005年3月、14歳の日本人少女がタミフルによる異常行動が問題となりました。服用翌日には医師より「せん妄」と診断を受け、幻覚や錯覚を伴う症状があると診断を受けました。
関連性は証明されていませんでしたが当時は異常行動によって一も時的な双極性障害(躁鬱症)を発症したケースや「精神錯乱」も問題となりました。
当時はタミフルと自殺の因果関係なども話題となりましたがそれ以降、タミフルを服用する際には細心の注意を周辺が払うことが徹底されるようになりました。
このような問題が日本でも報告された9年後の今年の4月、医療研究を評価する国際プロジェクトのコクラン共同計画がタミフルの効果を詳しく検証し報告書を発表しました。
この中でタミフルの製造元である医薬品大手のロシュが都合の悪いデータの公表をしていなかったことが判明しました。
実はFDA(米国食品医薬局)は事実を把握していたが(CDC)米疾病対策センターには知らされておらず、インフルエンザ薬とタミフルを推奨をしていました。
消極的ないし否定的なデータを無視し、肯定的な結果だけを代替的に発表する「発表バイアス」として知られており、製薬会社によって治験データでのデータを隠したり、公表されていない問題があります。
日本人少女の事例も2006年にタミフルの有害事例のひとつとしてFDAが報告をしました。
さらにコクラン共同計画の報告書にはこの薬を開発したロシュが宣伝文句と違い多いとコクランはロシュを非難しました。コクラン共同計画は医療研究データを徹底して厳しく調査することで有名で評価対象の研究が絡む企業から一切の資金を受け取らないことで有名です。
ロシュは何十回も治験を行い、報告書を提出してい1999年にFDAで受けたが報告書の重要部分は要約された内容が医学関係の専門誌に掲載されました。
完全なデータが隠された状態だったタミフルの治験結果や内容。試験のリストもなくおよそ36件の治験が行われていたと予測したコクランはロシュと欧州医薬庁(EMA)に情報開示を2009年に請求した。
するとロシュからは臨床試験の10件のデータの開示に同意したが(秘密厳守の条件が存在することを含めて)機密を守ることを条件としたがコクラン側は拒否した。
5年後の今年、ロシュとEMAが全データ公開に応じて公表された内容はタミフルの臨床試験70件以上、10万ページにも及ぶ未発表データが存在し、そこには多くの否定的な結果や曖昧な結果も含まれており、入院や感染、合併症のリスクを低下させるほどの効果はなく(一日弱は症状を短縮できる)程度の薬であるコクランは結論つけました。
またコクランの報告で未発表データに精神への副作用が考えらえるものが含まれていたことだ。
日本でも今年、治験データの改ざんが問題となったが発表できるデータがあるのにも関わらず、あえて発表しない製薬会社や研究者は倫理的にも問題があり、臨床研究の世界的な倫理基準を定めてヘルシンキ宣言はすべての結果を公表されなければならいないとしている。
アメリカでは2007年に成立したFDA改正法によりすべての治験データを公表が法的に義務化されたがタミフルが承認されたのは1999年であるため、ロシュはさかのぼって、治験データを公表する義務はない。
プロペシアが治験を経て、承認を受けたのは1997年。この法律が適応されません。
このような事態について米ローワン大学医学校のクリストファージョーンズ氏は製薬会社の問題を指摘している。「新薬開発を失敗を発表した場合に生じる経営上のリスクは製薬会社にとっては切実な問題だ。製薬会社は株価が下がるのを恐れて、不都合なデータを公表しないという心理が働いている」と話している。
都合の良いことだけを公表し、不都合は開示しないこのような発表バイアスは最近で患者団体や現場の医師の問題意識も高まってきた。
プロペシア(日本MSD)は2005年に処方を開始後、12回に渡り、使用方法や注意事項を記載した添付文書を改訂し発表してきました。
2014年3月の日本MSDが改定した最新の添付文書にはこれまでの12回に記載がなかった一文が追記された。
その他の副作用の中で注3において
「リビドー、勃起機能不全、射精障害に関しては市販後(一般に国内で処方が開始されてから)投与中止後も症状が継続した。」
この注意書きの追記はEUでは2010年、イギリスでは2011年、アメリカでは2012年に各国の保健省がフィナステリド製剤を作るすべての製薬会社に指導しました。
以下がプロペシア日本版の最新の2014年の改訂版の添付文書をご覧いただけます。
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00051088.pdf#search='%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%82%A2+%E6%B7%BB%E4%BB%98%E6%96%87%E6%9B%B8'
今回のNEWSWEEKの記事に掲載された問題はタミフルだけの問題ではなく、世界的にすでに承認されているどの薬にも起こりえる問題です。
その中でタミフルの異常行動は承認されてからも現場では何度も報告されていましたが治験段階でもその問題が報告されていたのにも関わらず製薬会社がデータを開示しなかったことで医療関係者も周知していない状態が1999年に認可を受けて15年経過した今年コクラン共同計画が調査しなければ知られていませんでした。
プロペシアで主に得られる効果は「抜け毛の予防」または「髪のハリの改善」という効果が日本では「髪が生え戻る」というような説明がされていたり、副作用などないと説明がされた経験がほとんどだと思います。
ですが日本MSDのプロペシアの添付文書の改訂を含め、これは海外でしから知られていない問題というだけではなく、少なくとも2007年以前に承認された薬に関しては製薬会社が必ずしもすべてのデータを公表していないことはご理解ください。
プロペシアやミノタブは魔法の薬ではありません
http://ameblo.jp/ikumouhatsumoujp/entry-11904871053.html
リスクを覚悟しても髪を生やしたいとお考えの方が多いのは十分理解できます。ですが日本で周知されていないからプロペシアの副作用が存在しない。外見的な薄毛の問題のほうが日々の生活において重要だから服用する。
これほどの多くのプロペシアやフィナステリドの副作用についての研究が海外で発表される中。現在服用中の方。服用を検討されている方は再度良く考えてみてください。