カナダ、バングーバーの高等裁判所が育毛利用目的のプロペシアだけではなく前立腺肥大薬のプロスカーによって生じる継続的な勃起不全や精力減退、鬱症状などの副作用に対する訴えを製薬会社に追及をできると認めました。
訴訟をおこしたマイケル・ミラー氏は25歳の時に前立腺肥大の治療のためにプロスカーを医師の処方で服用を開始。その後、プロペシアと同様の副作用に見舞われたことからカナダでプロペシアやプロスカーを製造するメルクFrosstカナダに対し訴訟を起こしました。
ミラー氏は医師からプロスカーを4分の1に錠剤をカットして服用するように指示を受けました。1か月ほどすると精力減退の症状からED症状が深刻化し勃起状態を維持できなくなりました。
フィナステリドという同じ成分を同量の成分で服用をしていても育毛目的で服用するプロペシアなどの場合は使用者が服用前に精力減退やED症状を発症していないことからフィナステリドに対しての訴訟を起こしやすい状況にありましたが前立腺肥大などの場合は薬の副作用に関係なくED症状などがみられることが多いことで因果関係が定かとされにくく、他国においても前立腺肥大目的でのフィナステリドの使用の場合には裁判所も訴訟を受理することに難色を示していました。
ところが今回の訴訟ではカナダの高等裁判所の裁判官は2008年にスウェーデンで初めてフィナステリドという成分に対し副作用がはじめて報告され、スウェーデンの保健省とメリク社の間ではフィナステリドの使用によって精力減退やED症状などの注意書きを追記することを合意していたのにもかかわらず、他国のことであったとしてもすでにメリク社は自社が製造するフィナステリドによってこのような副作用が生じる可能性があることを把握していたはずと述べ、カナダで販売されるフィナステリドにおいても注意書きにこのようなリスクがあると明記しなかった責任がメリク社にはあると今回前立腺肥大の治療薬で用いられたフィナステリドに対しても責任があると判断しました。
2011年にもカナダのオンタリオ州で酷似する訴訟がおこされており、今回の訴訟を代理するミラー氏の代理人のもとにはカナダで300人、その中でバンクバーだけど55人もの人から集団訴訟に参加をしたいという申し出を受けています。
昨年の11月の時点でアメリカではニューヨークとニュージャジー州だけで265件の訴訟がおこされています。
健康を害する目的で薬が医師から処方をされ、それが前立腺肥大のように副作用が病気によっておこったものか?薬によってもたらされたものかの判断が難しいフィナステリドの副作用の場合に他国でも訴訟を受理する判断が難しいとされておりました。
それが今回のカナダの裁判においても他国での事例を証拠のひとつとでして裁判所が認定したことでアメリカ、イギリス、EUでも起こっている訴訟にも大きな影響を与えると想定されます。
プロペシアやフィナステリドは医師が処方をしているから安全かつもっとも効果的な薬だという神話が続いているのは日本だけです。
多くの方が日本のような先進国の医師がリスクなどを理解しないまま処方を継続するわけがないとお考えかもしれませんが残念ながら過去に薬害エイズ事件でも同じようなことがありました。
他国では危険とされた血液製剤の生産中止と回収が行われている中、日本は唯一、治療のために用いられておりました。その際も製薬メーカーから他国での情報を知りながら、それを発表せず製造と販売を続けていました。
現時点ではフィナステリドは全世界で製造されている薬ではあります。ですが他の先進国で集団訴訟がこれほど多くおこっている薬が日本の医師やネットで安全だという情報提供を信じ、本当に使用をして良い薬なのかどうか?
薄毛などは多くの方にとっては死活問題となるような悩みだと思います。ですが精力減退やED.鬱症状などを日本で発症されている方からご相談をいただく中で、多くの方が生死を考えるほどの問題ととらえられています。
フィナステリドを服用されている方や服用を検討されている方に正しい情報をお届けすることも大切ではありますが何よりも日本の医療関係者の方たち、この書き込みをきっかけに海外での現状に対し関心をもっていただくことで一般の方たちが信頼できると聞き入れていただける形でフィナステリドやプロペシアの副作用の情報が周知いただけることです。