モラハラ夫に耐えかねて離婚を決意。
別居から1年11ヶ月。
離婚調停から離婚裁判へ移行、
結婚19年目で和解し離婚が成立した。



モラ夫と別居したのは
娘が中学三年生、
息子が中学校に入学して間もなくだった。
両親が他界し空家となった実家に身を寄せた。
学校まで車で片道40分。
冬であれば2時間近く掛かることもあった。
それでも転校は初めから頭にはなかった。


モラ夫からは
「お前には毎日送り迎えなんて絶対無理だ!!」
と太鼓判を押された。


そんな私だったが
事故に遭うこともなく(危険は多々あったが)
無事に最後の日を迎える事ができた。


「今日で本当に最後だね。」
と感慨に耽る私を後目に


「もう二度とママの車に乗らないかもね。」
なんて言う息子。


散々二人で一緒の時間を過ごしたのに
何てつれないお方……。


息子との最後のドライブを終えて家に入る。



しばらくすると、
部活へ行っていた娘が自転車で帰ってきた。
今日は天気が良く暑かったのか
額から汗が流れている。


お昼の準備をしながら、
娘の部活の話を聞いていた。


「ママ、今日で送り迎え最後だね!」
娘が言った。


「そうなんだよ!本当に最後だったんだよ!!」
私がそう言って振り返った瞬間、


「今までありがとう!!」


「え!?」


「お礼にケーキを買ってきたよ!!」

娘の手には見覚えのあるケーキの箱。
これは……


「え?……ありがとう!!
でも、…え?何で小夏がお礼???」

あまりに不意をつかれて混乱する私……。


「だって、小夏も送り迎えしてもらったし。
部活で休みもほとんど無かったしね。」


「いやいや、そんなこと……」


これは私の意地だったのだ。
別居しても、離婚しても、
できるだけ子供たちの環境を変えたくない。
そう思ってやっていただけで、
実際に子供たちも
遠くから通うのは大変だったはずだ……。


「誰にでもできることじゃないよ。」

そう娘に言われて、
ケーキの箱を開けようとした瞬間に
堪えきれなくなって涙がこぼれた……。


我慢していたのに、
一度涙がこぼれたら次々と止まらなくなった……。


「え?泣かせるつもりじゃなかったのに!!」
オロオロする娘。


「……だって、嬉しくて……」
涙が止まらない……。


更にオロオロする娘に言った。

「……このケーキ屋さん、
よく場所分かったね?」


「うん、めっちゃ迷ったよ!
店の前何度もうろうろしてさ、
お店の人が窓から覗いてるのを見付けてやっと分かったの!!」


娘は大の方向音痴だ。
その娘が額から汗を流しながら探し回ってくれたのかと思うと、
それは更に特別なプレゼントになる。


「ありがとう。
本当にありがとう。」



そこに息子が登場して
泣いている私を見て驚いた。


「歳のせい?」
なんて娘と息子で話している。



お昼の後に皆でケーキを食べた。


「えー!?お姉ちゃん凄いね!!
僕が買ってくるとしたら修学旅行のお土産くらいかな?」
なんて感心しながら言っている息子に苦笑い。


洗い物をしながら、
洗濯物をたたみながら、
お風呂に入りながら、
ブログを書きながら、
思い返す度に涙が出そうになる。
ていうか、もう出てる。
むしろ涙が止まらないのです…。
でも今日の涙は嬉し涙だから大目にみてほしいのです……。



 

 

 

 

 皆さんも、感謝を込めて如何ですか?