よく恥ずかしげもなく私の実家の敷居をまたげるものだと感心してしまいますが、詐欺師の夫はその辺は気にしません。正確には最大限に気にしている素振りはみせますが、心の中では舌を出していたことでしょう。
夫『私の馬鹿な行動によりお義父さん、お義母さん、夏子や子供達に悲しい思いををさせてしまい申し訳ありませんでした!』
深々と頭を下げるて
夫『夏子さんと話し合って子供達の為にも、もう一度やり直そうということになりました。』
『今度こそ気持ちを入れ替えて、夏子と子供達の為に頑張ります!もう悲しません!どうかよろしくお願いします!』
目に涙をためながら訴えます。
父『……夏子は本当にいいのか?』
私『…うん。もう一度、子供達の為にもやってみる。』
父『そうか…。分かった。』
夫『ありがとうございます!!』
父『ただし、条件がある。』
夫『条件?』
父『まず念書に書いたこと、今度こそ絶対守れ。解ったか?次は無いぞ!』
夫『はい。必ず守ります。』
父『それともう借金はどうにもならない。このままじゃ生活を立て直すなんて無理だ。』
『自己破産を考えなさい。』
自己破産、これが父からの条件でした。私はショッキングな言葉に驚きましたが、夫は落ち着いていました。