詐欺師の夫に誘われ息子と家に行ってしまった私…

 すると日中はいないからと言っていた夫が帰ってきました。


なんで!?一気に緊張が走ります。息子を抱き寄せて身構えました。


ガチャッと扉が開き夫が入ってきました。

夫『おう!夏子久し振りだな。』

私『……日中帰らないんじゃなかったの…?』

夫『営業で近くまで来てたから、たまたま寄っ た。』

私『そう…』

夫『てん(息子)!大きくなったな!会いたかった。あん(娘)は?』

私『実家で遊んでる…』

夫『そうか…。会いたかったな。』
 『夏子は?大丈夫か?』

私『大丈夫に見える?』

夫『悪かったな、夏子。俺、本当に馬鹿だった…。』

私『どれだけ人を裏切れば気が済むの?』

夫『ごめん。夏子にも子供達にも辛い思いさせて。俺、もうしないから。約束する。』

私『……。』

夫『俺さ、転勤の話があるんだよ。俺の地元に新しい店舗が建つんだ。』

私『……そうなんだ。』

夫『家賃も会社負担になるし、その分楽になる。』

私『……。』

夫『もう一回、やり直そう。絶対もう裏切らないから。本当にごめんな。』



私『………、ちょっと考えさせて。』


そう言って別れました。


すでに片足半分罠にかかってました……。