最終選考で内定をもらった夫。しかしそれにはある条件がありました。

 私の実家に娘を預けていたので皆で夕飯を食べながら夫の内定の話しを聞きました。

夫『いやぁ、立派な会社で緊張しました。』

母『それでどうだったの?』

夫『どうして前の会社辞めたのか聞かれて…』

私『話したの?』

夫『話した。だって俺何も悪いことしてないし、話したら普通それで解雇なんてありえないって同情されたよ。』

私『それなら良かったけど。』

父『それでどんな会社なんだ?』

夫『派遣会社の営業です。全国に支店があって、こっちに新しく支店ができたんです。これから派遣会社の需要がどんどん増えていくそうです。』

夫『前の会社より給料もいいし、福利厚生もしっかりしている。休みもきちんと取れるから娘との時間も出来る。』

母『一事はどうなるかと思ったけど、良かったじゃない!』

夫『はい…。ただ…、俺が前の会社を解雇になったってことで保証金が必要だと…』

私、父、母『保証金?』

夫『はい。一応あなたは悪くはないようだけど解雇されたって事実があるから、念のためって。でも試用期間が過ぎたら返すって言ってました。』

私『いくらなの?』

夫『15万円だって…。』

私、父、母『15万円!??』

 前の会社で立て替えた80万円もまだ振り込まれていませんでした。そして今回は15万円…。

 でもせっかく内定が決まって、前の会社よりも条件もいい。試用期間が終われば返してくれるなら……。

私『わかった…。』

夫『前回のもあるのに悪いな…』

夫『お義父さんも、お義母さんも、ご心配お掛けしてすいませんでした。頑張ります!』

父『しっかりやれよ!』

夫『はい!』

 そして、後日夫は内定の決まった会社へ保証金を支払いました。