ピラコン
パーソナルトレーナーのヤナイ
今回は運動・ピラティスエクササイズを行う上でおさえておきたい身体の仕組みをお伝えてしたいと思います。
【運動連鎖】
日常生活・スポーツでも動作をするときには一つの筋肉だけで動いているわけではなく、多くの筋肉が連動して動いています。
一つ一つの筋肉の機能が上手く連携して収縮して身体を動かすことができないとスポーツのみならず、日常生活でも肩の痛みや腰痛などの不調に繋がります。
*椅子に座る、歩く、文字を書くという日常でおこなう身近な動きも運動連鎖になります。
【運動連鎖の種類】
運動連鎖を考える上で、重要項目を押さえておきましょう。
open kinetic chain(開放性運動連鎖)
closed kinetic chain(閉鎖性運動連鎖)
という考え方です。
それぞれOKC(開放性運動連鎖)、CKC(閉鎖性運動連鎖)と呼ばれることもあります。
身体の末端部分が、地面と接している、固定されている状態かどうかで分けることができます。
OKCはopen なので末端が解放されている、接していない状態での運動です。
連動する関節のうち、遠位部の関節が自由に動くことができる場合の運動と定義されており、「開放運動連鎖」とも呼ばれます。OKCエクササイズは、簡単にいえばカラダの末端部分(足や手)が固定されていないものを指します。
たとえば胸を鍛えるエクササイズならば、ベンチプレスやマシンチェストプレス(体幹部が固定されていて、手を動かしている)などはOKCになります。
CKCはその逆で、連動する関節のうち、遠位部の自由な動きが外力によって制限(固定)されているような場合の運動と定義されており、「閉鎖運動連鎖」とも呼ばれます。
CKCエクササイズは、カラダの末端部分が床などに接した状態で、固定されたものを指します。
ベンチプレスやマシンチェストプレスがOKCであるのに対して、プッシュアップ(手が地面に固定されていて動かず、肘の曲げ伸ばしを行っている)や、スクワット(足が地面に固定されていて動かず、股関節・膝関節の曲げ伸ばしを行っている)はCKCのエクササイズになります。
【相反抑制作用】
主動筋とは、主に働く筋肉です。
例えば、肘の屈曲(肘を曲げる動作)においては、上腕二頭筋が主動筋にあたります。
(上腕二頭筋とは、力こぶが出来る筋肉です。)
拮抗筋とは、関節の動きに対して反対の動きをする筋肉です。
肘の屈曲では、上腕二頭筋が主動筋であるのに対して、裏側の上腕三頭筋が拮抗筋となります。
(上腕三頭筋とは、二の腕の筋肉です。)
つまり、肘の屈曲動作において、上腕二頭筋と上腕三頭筋のあいだには、相反抑制が働いているという事です。
肘を屈曲したいのに、上腕二頭筋も上腕三頭筋も働いてしまうと、屈曲することが出来ないので、上腕三頭筋は「相反抑制」という働きの元、「弛緩される」ことでスムーズに関節を動かす事が出来るのです。
この「相反抑制」は、ストレッチ・コンディションなどにおいて良く利用されます。
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋、腸腰筋)のストレッチを例に、皆さんにも実感して頂きたいです。
まず、立位の状態から、片方の足を持ち、かかとをお尻の方へ近づけていきます。
この時点で、大腿四頭筋、腸腰筋に伸びを感じますか?
立位の状態がきつい方は、仰向けでも大丈夫です。
(大腿四頭筋や腸腰筋が柔らかい方は少し分かりにくいかもしれません。)
そこから、同側(ストレッチしている脚)のお尻に力を入れてみて下さい。
そうすると、上手くできた方は、より強く大腿四頭筋、腸腰筋のストレッチ感を感じるはずです。
ものすごく簡単にいうと、「表側の筋肉と裏側の筋肉は逆の役割がある」という事です。
相反抑制作用とは、 主働筋が収縮する際に拮抗筋を収縮させない(弛緩させる)命令が出されるというような、互いに拮抗しあう筋の活動を抑制するメカニズムのことです。
相反抑制作用は、筋を動かしながら(収縮させることで)ストレッチしていく方法といえます。
筋肉の動作には必ず行おうとする動作とは反対の動作をする筋肉が存在します。
伸ばしたい筋肉の拮抗筋を意図的に収縮させることによって主動作筋の弛緩を行います。
この様な形で、筋肉は主動作筋と拮抗筋のバランスを保ちながら筋活動を行っており、強くしたい筋群の強化と、柔軟性を高めます。
これを猫背の方で説明すると