・・・私がこのコロナ禍で思ったことの一つは、

誤解を恐れずに言うならば、

「何か、普段より楽だ」ということなのでした。

コロナに対する恐怖心はもちろんあるのですが、

それを除くと、心が意外に平安であることに気づいたのです。

・・・・・・・・

「家の中にいてください」となった時に、はたと理解したのは、

「私、今までずっと、無理していたのだなぁ」

ということでした。・・・

 

                 酒井順子 『ガラスの50代』 より

 

 

 

 

 

この『ガラスの50代』は

内容のほぼ全部に

うんうん、そうそう、と

自分ではなかなかうまく言葉にできないことを

さすが酒井順子さん

言い得て妙、すばらしいです

となりました。

 

 

酒井さんは54歳なので50代真っただ中

近しいですが全く同じ世代ではなく

自分は属性としてはもう立派にアラウンド還暦でしょうから

少し違うとも言えるのですが

酒井さんのように思慮深くも精神的に成熟してもいないので

漠然と感じていたこの世代のモヤモヤと

「もういい」「まだまだ」のバランスのとり方のようなものを

言葉にして示してもらえた気がします。

 

 

乗っかるようで申し訳ないですが

私も普段おそらく、無理をしながら

人付き合いや外出をしています。

自覚は以前からあったのですが

酒井さんと同じく

その無理は自分にある程度必要だと思っていたし

経験を重ねると慣れもしてくるし

実際人に会ったり出掛けてしまえば

それなりに楽しくもやれるので

どこまでが無理なのか

よくわからなくなっていました。

 

 

でもこのコロナの状況で

人に会えなくなって正直

「ああ、なんて楽なんだ」と思いました。

 

 

最初の頃は

リモート飲み会などもしていたのですが

たびたびの通信不具合や

対面している時以上に喋るタイミングを計り過ぎるのか

妙な間が空いてしまったりすることにも疲れて

こんなにしてまで人と会ったり

飲んだりしたくはないなと思いました。

実際、まったく酔えませんでした。

 

 

仕事の方は依頼が入ると現場で業務をこなすもので

オンオフが一日に何度も繰り返されるスケジュールで

人も固定ではなく日によって違うので

仕事中よりむしろ休憩中の人との距離が難しく

何を言って何を言わないほうがいいのか

そういうことを考えるのに疲れます。

 

今年はコロナで仕事が激減したので

持続化給付金の申請をして

半年間はほぼ家にいました。

 

仕事自体は好きなので

最近業務が入るようになってきて嬉しいのですが

休憩中や移動中の煩わしさも戻ってきています。

 

 

 

こういうのを「気にしないで」やれるように

いい意味での鈍感力が身につくように

50代くらいになったらなるんじゃないかと

ちょっと期待していたのですが

あんまり変わらないみたいです。

 

 

今のところは

今後もなるべく元気に過ごして

60代70代80代と

酒井順子さんが書いてくれるであろう言葉に

うんうん、そうそう、と

頷き続けていたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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