2016・天道神社【天道花神事】
~ オテントウさまに捧げる花~


「天道花」という言葉と神事の存在を知ったのは、つい最近のこと。日本の伝統行事伝承を心がけてられる姫路の博物館の学芸員さんに教えていただいた。

【天道花・テントウバナ】
「天道」とは「オテントウさま」、つまり「お日さま」「太陽」のこと。
私達は農作物をはじめ、お天道さま(太陽)の恵みで生きている。

「天道花」は、オテントウ様への日頃の感謝と祈念を込めて庭先に長い竿を立て、その先に三方向にサカキと季節の5種の花を結び天高く捧げられる。







★京都【天道神社】ー仏光寺通猪熊・北西角ー



伊勢神宮の天照皇大神を主神とし、八幡大神と春日大神、三柱の神々を祀る。
天道宮と呼ばれ、山城の国の長岡の地(現・京都府長岡京市)に鎮座されたが、延暦十三年(794)、桓武天皇の平安遷都とともに、三條坊門東洞院 ( 現在の東洞院御池上ル付近)に勧請された。

その後たびたびの兵火に遭うが天正二年(1574) 織田信長公より五条坊門猪熊の此地を授かり、遷座して今日に至る。
境内には明治天皇の皇后(昭憲皇太后)の御胞衣の塚も祀る。



【天道花神事】
「天道花」は旧暦4月8日に山からフジ・ツツジなどを採取して飾り、近畿・中国・四国地方で見られた風習で、花祭りに一種とか鯉のぼりの原型と言われている。明治になって廃れ、現在「天道花」を飾り神事が行なわれているのは、京都の天道神社だけかも知れない。

天道神社の「天道花神事」は毎年、5月17日に行なわれる。



「天道花」の竹竿の途中、目の高さに折敷が取付けられ、おはぎがお供えされていた。



京都市の寺院紹介 (本殿前)



御本殿前に地元の神社委員さん方が着席され、その横から後方に一般参拝客が立つ。
神主が神前に玉串を捧げられ祝詞を上げられる。





【皇太后御胞衣塚】
明治天皇の皇后・昭憲皇太后の御胞衣(胎盤)塚。一条家に御誕生された皇太后の栄華祈願のため父君が此の地に御胞衣を埋納されたところ、十九歳のとき皇后宣下を受けられたと伝えられている。



5月17日は皇太后御誕生の日であり「天道花神事」に続いて「顕彰」が行なわれた。



【御神酒】
約40分の神事が終わって御神酒と御神米が振る舞われ、地元の方々の後に一般参拝者がつづく。





「赤飯饅頭」
最後にいただいた鳴海餅本店製の紅白の赤飯饅頭。