四万十川
の上で朝を迎える。
前日の夜におっきなおにぎりを作って翌朝にそなえ、
まだ真っ暗な内にカヌーの準備をする。
一番鳥の声を聴いたら、いよいよ四万十川へ漕ぎ出す。
ぼうーっと明るくなり出す川の上は、
とても、しん、としていて。
聴こえるのは、カヌーが水を切る音と、
徐々に賑やかになっていく、鳥達の声。
誰の声も聴こえない。
誰も何も発しない。
それぐらい静寂で、
それぐらい、じわじわと自分の中に四万十の風景が染み込んできて、
何だか、この川と1つになった感じがした。
沈下橋の下でおっきなおにぎりと、熱いお味噌汁を飲んだら、
とてつもなく、今ここにいることが嬉しくなった。