受験期に入ってくると、塾は次第に忙しくなり、なかなか体を休めることも少なくなります。そこで、子どもたちの間に風邪が流行ると、免疫力が低下しているせいか、鼻がグズグズしたりすることもままあります。
しかし、基本的には、薬局で薬を買ってすませ、病院に行くことはあまりありません。病院に行こうと思うのは、やはりどうしようもなく酷くなってからという感じでしょうか。
塾の利用も似たようなところがあるのではないでしょうか。
学校に通っていて、成績が今ひとつ芳しくない。そして、対処療法的に放っておく。しかし、これはヤバい、もうどうしようもないとなって、塾に通い出す。気持ちはよく分かります。
しかし、病気は医者に行き、薬をいただき、それでも良くならないときには、注射や点滴などで治してもらいます。しかし、勉強はそうはいきません。前学年の内容が理解できていなければ、新たに習う内容は理解できないからです。
中1の1学期に正負の数を習います。正負の数自体は、中学校で習う単元ですから、頑張ろうと思えばできるようになります。しかし、小学校の時に、分数や小数の計算、あるいは割合や速さ計算などができていなければ、正負の数を使った問題を解くことができません。ここで、「ヤバい! 塾に」となっても、新指導要領のハードな学習をこなしながら、小学校の復習をやっていくというのは、やはりかなりの困難を伴います。
長年、塾講師をやっている私からすると、小学生のうちに、しっかりと勉強の仕方を身につけ、できるだけつまずきをなくした状態で中学校に入学するのが、余裕を持った中学生活を送れるのではないかと思っております。
また、その方が経済的にも余裕ができます。
授業が厳しいとなり、クラス指導でついていけないとなると、個別に教えてもらわないとならなくなります。例えば、はなまるゼミナールでは中学1年生は5科(週に6時間)で月18000円の授業料です。補習やテスト対策特別授業でも追加で料金をいただくことはありません。個別指導ではこうはいきません。
「ヤバい」とならないうちに、手を打っておくのが、いろいろと余裕が持てるのではないでしょうか。