658-思い出のアーケイディア | ikoma-gun(フリムン徳さん)のブログ

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「思い出のアーケディア」 フリムン徳さん

 

ロサンゼルスから東へ車でおよそ30分のところに

アーケイデイアという町がある。

ロスの住宅地よりは敷地が広くゆったりとしている。

かえでの並木通りが多く、秋には深紅の紅葉が、

焚き火のように通る人の心を赤く焦がしてくれる。

風情のあるいい町である

 

12年前にシアトルへ引っ越すまでの12年間、

私はこのアーケデイアの町に住んでいた。

私の生涯でも思い出の多い町である

娘は小学校、中学校、高校まで、息子は小学校、中学校までこの町で学校に通った。

年に1度、同じストリートの家族同士が家の前のストリートに繰り出してするストリートバーべキューも楽しかった。

 

私の家の敷地はおよそ500坪ぐらいあったと思う。

隣近所もだいたい同じ大きさの敷地。

ほとんどの隣近所が裏庭には大きなプールがあったが、

うちだけにはなかった。

プールの代わり大きな芝生の庭だった。

それはゴルフの打ちっぱなしができるほどだった。

 

息子は2軒隣のEDDYの家のプールでよく泳がしてもらっていた。

息子が泳ぎを覚えたのはEDDYの家のプールだった。

 

この通りに東洋人として初めて移って来たのが私の家族だった。

一軒の黒人の医者の家族を除いて周りは全部白人の家族だった。

人種差別を受けるんじゃないかと内心警戒していたが、

それは取り越し苦労というものだった。

逆に、皆さんに親切にしてもらった。

引越しの初日には隣の人が 手伝いにも来てくれた。

 

特に親しく付き合ったのはリタイヤーしたEDDY

オデッサの夫婦だった。

あまり 英語のわからなかった初美であったが、

オデッサとはバラとランの花の趣味が合い、

英語じゃなく花言葉でしゃべって、意思疎通は十分だったようだ。

二人は競走するみたいに花を増やしていた。

 

日本からお客さんが来ると、彼らの家に案内し、

これがアメリカ人の住まいだと、家の内外を見せてもらった。

オデッサはドイツ系の優しそうな白人婦人で、

家の中はいつも掃除が行き届いていて、

家具も絨毯もカーテンも新品のようで気持よかった。

無駄な飾りはなく質素で、ほんまに、

質素の美をかもし出す部屋の飾り付けが上手だった。

彼女は、ルネッサンス風の椅子の張替えも生地を買ってきて自分でやる。

その出来映えはプロがやったとしか思えない。②に続く