468-生きるか死ぬかではない、勝つか負けるかである① | ikoma-gun(フリムン徳さん)のブログ

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0813
(弟道雄撮影)

「生きるか死ぬかではない、勝つか負けるかである」
 
 10月22日2013年、「あと2時間の命」と言われ、
3日目の24日には生きがえった。これは帰省中の
日本でのことである。それから、3ヶ月もしないうちに、
今度はアメリカの病院で癌の宣告を受けた。
癌の宣戦布告みたいである。

腸に高危険度の癌が見つけられた。
カリフォーニア・サリーナスの病院で、
6ヶ月ごとに受ける検査の時だった。
お尻から、腸にカメラを通され、カメラが
腸の中を移動しながら、腸の中を写す様子を

寝て横になり、ベッドの横のモニター画面で見た。
モニターはメイド イン ジャパンであった。
医者の使う腸カメラもメイド イン ジャパンであった。
 アメリカに住む日本人が、アメリカで、日本食を食べ、
日本のNHKを見て、日本車に乗り、日本の医療機械で、
腸を診断してもらっている。
ここはアメリカなのか。

部分麻酔をされているから、痛みは感じない。
腸の中の赤い内臓の色はセーフウェイやアルバートソンの
肉売り場で見る牛肉や豚肉とは似ているが、生きている。
色までもがも生きているみたいである。

庭の木に止まっていたブルージェイという小鳥が口を
大きく開けた時の口の中の、
生きているような真赤な色であった。

15分ほどすると、白人の医者がカメラで写した腸の
写真をコピーした1枚のA4の用紙を丁寧に説明してくれた。
13コマの腸のカラー写真である。写真を示しながら
説明を受けるのだが、英語なので、ピンとこない。

「よかった、癌は見つからなかった」
と英語で言われた時はほっと一息ついた。

一安心であった。ああ、まだ生きられると思った。
ところが、2時間後のアポイントの時に事態は逆転した。
少し離れた部屋に行かされた。
フィリピン人の背の低い看護婦さんらしい
45、6歳の女性だった。フィリピン人なのに色が白く、
少しだけ上品そうで、学のある女性に見えた。

白人医者の助手をしていた女性である。
助手をしていた時は一言もしゃべらなかった。

フィリピン人は白人の医者が説明した同じ写真の用紙と、
もうひとつの説明らしきものを書いた用紙を
私と嫁はんに見せながら医療専門用語の多い
フィリピン語なまりの英語で説明してくれる。

ひょっとしたら、医者かもしれないと思うほどに、
立て板に水のように説明をしてくれる。
だんだんこの女性が偉い人に見えてきた。

 でも、英語があまりわからない、特に、
医療関係の英語なんか全くちんぷんかんぷんである。
でもわかったところがあった。
ハイリスクの腸癌と言うのである。

英語がわからんから、テレビの画面から
言われているみたいだ。
他人ごとのようにも聞こえた。

続く