291-足と因縁 5(終) | ikoma-gun(フリムン徳さん)のブログ

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 私は親父の父、つまり私のおじいさんは知らないが、

生前、彼も片足が悪くてビッコを引いていたという。

やはり前世の何かの因縁だろうか。

それにしても私は人間様だけでなく

、私がパラグアイで飼った豚までもが、

後ろ足の右か左がビッコだった。

その豚から、生まれた5匹の子豚の何匹かもやはり

後ろ足の右か左がビッコだった。

私は今までの私の足にまつわる話をこの手で

究明したくなった。

 

豚たちを殺して肉にして売る前に、

豚のビッコの足を、外科医のように包丁で手術して、

詳しく、調べてみた。

そしたら、どのビッコの豚の足も、同じ所の小さな

針ほどの神経が黒くなって固まっていた。

どうして、私の飼った親豚も子豚も、親父も、私も、

おじいさんも、足にまつわる病気が多いのでしょうか、

これを前世の因縁というものでしょうか。

これを自然の摂理というのでしょうか。

昔の喜界島の年寄りたちはよく言っていた。

「悪いことをするな、ええことをせよ、お天道様が、

雨だれに隠れて見ている」



 小さい頃、親父からよく聞かされていた話を思い出した。

「種子島鉄砲ができた頃、よその村から侵入者があったら、

鉄砲を持って、追っ払っていたらしい。

うちの祖先はその侵入者を射殺したら、

かわいそうやと思い、足をめがけて、

鉄砲を放ったそうである」

でも、わからない、足をめがけて鉄砲を打ったが、

鉄砲の引き金を引いたのは手である。



 私は足にまつわる病気が多かったが、


足は私を、物書きの端くれではあるが 、

作家と呼ばせるようにしてくれた。

足の病気のお陰で大工仕事が出来なり、

文章の書き方を始めさせた。

「フリムン徳さんの波瀾万丈記」という本まで出版できた。

足のお陰と思っている。

自然の神様は陰と陽を巧みに使って、

自然界を調節しているようである。


終わり