2
残りご飯をマイクロオーブンで3分ほどチンして、
テレビを見ながらの一人での食事。
信じられないくらいおいしくない。
そんな時にNHKのテレビの番組が変わった。
「お一人様の幸せ食事」と画面に書いてある。
「何がお一人様の幸せ食事」や、腹が立ち、
泣きとうなってきた。
テレビまでが徳さんをいじめているようだ。
これは「たまには嫁はんの苦労も考えて、
大事にしなさい」というウヤフジ(ご先祖様)の
お告げのようにも思えた。
嫁はんは10月初めに、日本へ帰って、
もう3週間が経つ。
あと1週間でアメリカのわが家に戻ってくる。
還暦の祝いのために喜界島へ帰っている。
還暦になったら、喜界島にある3つの中学校の
同級生は世界中どこに散らばっていても
一堂にはせ参じる。ただの集まりとちゃいまっせー、
『はせ参じでっせー』。
喜界島で還暦祝いをするのが慣わしとなっている。
それは毎年の喜界島の一大行事にもなっている。
ヤマトから古里帰りした還暦の同級生が喜界島を
潤わす日でもある。
それが、そんじょそこらの祝いではない。
もうこれは祭り以上にうきうきし、興奮する
『感激物語を創る』日である。
喜界島の中学校を卒業して東京、大阪、外国へと
飛び立ち、離れ離れになった同級生と20年ぶり、
30年ぶり、40年ぶりに会って、涙を流しながら、
島ユミタ(喜界島方言)で語り合い、
抱き合う日なのである。
続く