4 生前に病気で、薬を沢山、長年飲んでいた人は死んでからでも
なかなか死なない、いや、骨にならない。昔私の古里喜界島では
火葬がなくて、土葬だった。人が死ぬと、木で作られた棺桶に入れられて、
土の中に埋められた。
それから、3年経つと、親戚の人達がその棺桶を掘り起こして、
腐って肉がなくなった骨を綺麗に拭いて、本当の墓に入れる。
それが3年忌に行われる。
その骨拾いの時に、長年薬を飲んでいた人はまだ、肉が腐ってなく、
肉に引っ付いている。苦労して肉をはがしとっているのを見たことがある。
体が薬漬けになっていた。死んでからまで、長生きしすぎているみたいである。
今の私は、薬漬けだけではない、晩酌のアルコール付けにもなっている。
死んでからまで長生きしすぎて、皆さんに迷惑をかけそうである。
私が自分の下の世話ができなくなったら、
どなたか「天国への切符を買う方法を教えていただきませんでしょうか
* このエッセイを書いたのが65歳の時、2008年である。
それから、4年後の2012年10月22日に、私は日本へ旅行に行った時、
突然倒れ、三途の川に立ち、ウヤフジ達と対面し、3日目にこの世へ
帰って来ることができた。勢ぞろいしていたウヤフジ達が、
天国にあった小さな医療器械CTみたいなのに入れと言った声が
聞こえた途端に、私は生きがえった。私はまだ、寝たきりの老人では
ないから、天国から追い返されたのだろうか。
それとも、私が書いたエッセイの中に、「ウヤフジのお陰」と
いう言葉を沢山書いているから、ウヤフジが助けたのだろうか。
終わり