7 アルビラは、生きていた時、「教会の裏の墓地に
埋めてくれ」と、言っていたのにと言うと、バブは、
「死んだら、もう関係ない」と自分の行くモンターナ
に持って行った。バブだけではないようだ。
フリムン徳さんがシアトルの山の中に住んでいた頃、
近所の白人のおじさんはもっと変わったことをしていた。
ある日の夕方、うちで二人ビールを飲んでいた時、
自分の車の後のトランクを開けて見せてくれた。
30センチ真四角ほどの木の箱である。
「これは、私の妻。埋める墓地を買ってないのと、
預ける金がもったいないから、自分が死ぬまで、
こうして車のトランクに
入れて持ち歩く」
先祖代々のウヤフジ(ご先祖)を大事にする私の故郷喜界島、
死んだら、終わりだと考えるアメリカ人の違いは大きい。
「死んだウヤフジを拝まないで何を拝むのか」と聞くと、
キリスト様を拝むのだという。フリムン徳さんはウヤフジに、
「エッセーの達人にしてくれ」と毎晩拝んでいる。葬式の違い、
死んだ人への思いの違いは宗教の違いによるようだ。
フリムン徳さんの葬式は明るく、楽しくやろう!!
幼い頃をゆかいに過ごした、懐かしい喜界島の同級生に囲まれて、
普段着のままで、島踊り、島唄、朝花、どんどんしぇー、
徳之島ツッキャリ節、六調で、口笛を吹きドンちゃん騒ぎをして欲しい。
フリムン徳さんは、晩酌を減らして、葬式のドンちゃん騒ぎの
費用に金を貯め始めようと思っている。
でも、みんなの足腰が元気なうちに、私も元気なうちに、葬式をやりたい。
終わり
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