111-フリムン徳さんのパンク「天国へ届け紅葉の木」 1 | ikoma-gun(フリムン徳さん)のブログ

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 「天国へ届け紅葉の木」  





1 死んだ人の名前で手紙が来た。2003年12月27日だった。

「何でやねん」と、大阪弁が一瞬口に出しそうになった。

アメリカに30年以上も住んでいて、驚いた時や、びっくりした時は

故郷喜界島の言葉か大阪弁がでよる。

やはり私は、大阪と喜界島が好きである証拠なのだろう。


 あまり目立たない色の封筒に入ったクリスマスカードである。

まさか天国からクリスマスカードが来るはずがない。

でも来た、世の中には変な事もある。

この人は三ヶ月前に死んだはずのドクター・コーエンだ。

不思議に思いながら封を開けてみた。中には奥さんが書いた

カードが入っていた。


 どうして死んだ人の名前でカードを送ってくれたのだろうか、

理解に苦しんだ。でも、思い当たる節はある。

 私も3年前に親友「志保やレストランの大将」が死んでから、

彼の奥さんが毎月2回ほどロサンゼルスから、日本語のビデをテープ

を送ってくれた。そのテープの返送する時に、いつも死んだ親友の名前

「吉田浩二様」と宛名を書いて送っていた。

このドクターの奥さんも死んだ人を思い出させる為に私と同じ心境で

死んだ人の名前を書いたのかもしれない。 


 私は嫁はんと二人、生まれて初めてユダヤ人の葬式というものに行った。

ドクター・コーエンはユダヤ人であった。

隣町パソロブレスのグリーンの芝生がきれいな小さな公園

みたいな墓地だった。ドクターの葬式にしては少ない20人ほどの葬式。

芝生の上に棺桶を置き、その前に白い日除けのテントが立てられ、

中に椅子が並べられてあった。その椅子の末席に嫁はんと私は座わり、

葬式を神妙に見守った。


 4、5人の身内の人はローマ法王が被る風船を二つに切った形

の帽子を被っていた。英語と、ユダヤ語らしい字で書かれた式順に

したがって金髪の女牧師が式を進めたが、さっぱり意味がわからない。

私は日本の葬式で坊さんが唱えるお経もわからないと思ったが、

ユダヤ語と英語でやるお経も、さっぱりわからない。

どこの国の葬式もお経はわからんのが当たり前のようだろうか。

いや、お経はあの世へ死んだ人を送る言葉だかだろうか。

でも、もっと、お経をわかりやすい言葉にしたら、

誰でもお経ができるようになるから、お坊さんが自分の職業を

守るために
、わざと、難しくしたのかもしれない。


続く