107-フリムン徳さんのパンク「アメリカ田舎の葬式」 4 | ikoma-gun(フリムン徳さん)のブログ

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 4 教会の中は真ん中の通路を挟んで、両脇に7つの長椅子が並ぶ。

最前列に5人ずつ、その後の列に5人ずつ、20人ほどがバブの親族である。

その中のたった二人の日本人、フリムン徳さんと嫁はんは親族の

うちである。見渡してみると、出席者のほとんどが白人。

黒人さんは一人もいない。4、5人のメキシカンがいる。

でも、女性のメキシカンも白人女性と区別がつかない。

きっと、日本女性のように、流行の髪の色を赤色に染めているのだろう。

元大工のフリムン徳さんは材木だけをよく観察していると思ったら、

おなごはんの髪の毛の色まで観察している。助平なやっちゃ。

50人収容のこの小さな教会の真ん中の通路に20ほどの椅子が追加され、

小さな教会は満員状態である。


 葬式が始まってもフリムン徳さんにはどうも葬式の雰囲気が

感じられない。いつもより人数が多い普通のミサのような気がする。

黒の喪服の人は親族の5、6人だけ。他の人ほとんどが、

ジーパンにTシャツの普段着のままである。ネクタイをした男は

アラスカから来た息子のグレン一人だけ。

フリムン徳さんと嫁はんも普段着である。サンフランシスコや、

ロスアンジェルスの都会の葬式では、黒の喪服、ネクタイをした人が

多いが、ここラックウッドゥの田舎では普段着が普通である。


 違うのは参列者の服装だけではなかった。

キリスト教の葬式の儀式が終わると、バブの友人達が代わる代わる

説教台に立ち、バブの小さい頃からの人生歴史を面白おかしく話して、

みんなを笑わせる。ほとんどがバブの失敗談である。

大笑いの連続であった。娘のティーナは笑っては泣き、

泣いては笑うのに忙しかった。その度に旦那のスティーブも

彼女の肩を抱きしめるのに忙しかった。

まるで、落語か、漫才を聞いているみたいだった。


続く