週に何日かは大学の医局から若手の先生にアルバイトに来てもらっている。

以前は大学を卒業すればなんとか一通り見よう見まねで簡単な治療はできた。

歯学部6年生は臨床実習といって指導教官の下一年間患者さんの治療をする。

最近の話では大学によってはほとんど見学だけで臨床実習を終えてしまうそうだ。

国家試験を通っても実際に治療経験の無い新米歯科医師は研修が必須となる。

歯科研修医制度はそういうことからやっと義務化されたらしい。

以前と比較して即戦力となる時期が遅れるためその間の給料もなかなか厳しいようだ。

25歳過ぎの新米歯科医師の給料が20歳そこそこの歯科衛生士の給料よりも低いといったことも日常茶飯事だ。

ただ卒後3,4年すると一気に腕が上がりできる歯科医師の給料はうなぎのぼりとなる。

伸びる先生を見ていると技術はともあれ患者さんとのコミュニケーションが実にうまくなされている。

これは大学では教えてくれない一番大事なことである。






転んだりまたはスポーツ中に前歯を打って根っこごとにポロリと抜けおちてしまうことがまれにある。

こんな時取れてしまった歯はどのような状態で歯科医院に持っていけばいいのか?

まず一番してはいけないのは空中放置である。

根っこの周りに歯根膜という大事な組織がある。これがあると骨と調和して固定されることになる。

乾燥させてしまうとこの歯根膜組織は壊死してしまい骨とくっついても5年後くらいに根っこが溶けてしまう。

よく牛乳の中に入れて持っていくとよい言われているが基本的にはきれいな水でもOK。

どうしても液が何もないときは口の中に入れていくといい。

結構元通りに戻ってしまうのだ。歯根膜はスゴイ組織?!

人の口の中は細菌だらけである。

細菌の存在が歯を溶かして虫歯を引き起こしたり骨を溶かして歯周病を進行させたりする。

全く細菌の存在しない無菌動物にいくら砂糖を与えたりしても虫歯にならない。

ただ細菌にも悪玉菌がいるわけで酸素を嫌う細菌(偏性嫌気性菌)が組織破壊の最前線にいる。

この悪玉菌は始めから生息しているわけでなく酸素下で生息できる好気性菌が十分に繁殖した後に深層に現れる。細菌同士栄養のやり取りをしてうまく共生している。

普段のブラッシングにとって直接真相の細菌は除去できないが表面の細菌を機械的に取り除かれれば悪玉菌への栄養が絶たれることにもなる。口の中の細菌を0にすることは不可能であるがいかにしてコントロールすることが疾患の予防に大きく関わる。