『ためになる健康情報』 第43回 ミオクローヌス

北本中央クリニック 神経内科 藤本健一

 

床に入って寝ようとすると、足がピクピクッと動いて眠れない。

パーキンソン病でときどき経験される症状です。

 

筋肉の瞬間的な収縮で、ミオクローヌスと呼ばれます。

「足が震えて眠れない」と表現する患者さんもいますが、震えは関節を曲げる筋肉と伸ばす筋肉が交互に一定のリズムで収縮を繰り返すのに対して、ミオクローヌスは曲げる筋肉と伸ばす筋肉とが同時に収縮し、リズムも不規則です。

 

ミオクローヌスは意図せず勝手に動くのが特徴で、脚がムズムズしてじっとしていられず、自分で足を動かしたくなる「下肢静止不能症候群」とは異なります。

 

脳の機能が低下すると起こり易く、健常人も電車で居眠りをしてピクッとした経験があると思います。

 

なぜパーキンソン病で多いのか所説がありますが、パーキンソン病では筋肉の緊張をコントロールする脳幹部が障害されているため、ミオクローヌスが起こり易いと考えられています。

 

筋肉の緊張を和らげるクロナゼパムというお薬を服薬すると予防できます。夜間の足のピクツキで眠れずに困っている方は、受け持ちの先生に相談してください。