『ためになる健康情報』第25回 パーキンソン病とうつ

北本中央クリニック 神経内科 藤本健一

 

パーキンソン病ではうつ病の合併が多いと言われます。

うつ病の問診票には活動が減るなど運動症状の項目が含まれます。

このため、動作緩慢が主症状のパーキンソン病では、

うつ病と判定されやすくなります。

 

パーキンソン病の原因は脳内のドパミン不足です。

ドパミンは運動系のほか、報酬系など精神系でも働くため、

不足すると不安が強くなります。

 

不安が強いと、問診票ではネガティブな回答をするため、

うつ病と判定されやすくなります。

 

パーキンソン病のうつは、悲壮感、罪悪感、自殺企図が少なく、

軽症例が多いのが特徴です。

このため、生活に深刻な影響を与えることは

比較的少ない傾向があります。

 

うつ症状で困るときは精神系のドパミンを補充すると、

不安が解消して症状が改善することがあります。

いわゆる抗うつ薬を服薬しても、

通常のうつ病ほど効果を得られません。

 

パーキンソン病の治療ではドパミンの分解を抑制して

脳内でのドパミン濃度を維持する

MAOB阻害薬が使われることがあります。

 

多くの抗うつ薬はMAOB阻害薬と併用できない点にも

注意が必要です。