『ためになる健康情報』 第40回 パーキンソン症状を呈する病気
北本中央クリニック 神経内科 藤本健一
パーキンソン病でなくてもパーキンソン症状を認めることがあります。
ドパミン受容体遮断薬、脳血管障害、水頭症などが原因になります。
パーキンソン病はレビー小体が溜まって発症しますがそれ以外の物質が溜まる多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症でも、発病初期はパーキンソン症状を呈しパーキンソン病と区別できないことがあります。
レビー小体はドパミン細胞だけでなく自律神経にも溜まります。
心臓の自律神経を調べるMIBG心筋シンチをすると、レビー小体の溜まるパーキンソン病では早期から異常を認めます。
レビー小体の溜まらない病気では異常を認めません。ただし結果の解釈には注意が必要です。
糖尿病による自律神経障害、抗うつ薬などの薬剤、心臓の病気でもMIBG心筋シンチは異常を呈します。
また、パーキンソン病でも発病初期、若年例、振戦が目立つ例、遺伝子異常による症例では、異常を認めないことがあります。
異常が無くても、パーキンソン病の可能性はあります。MIBG心筋シンチの結果でパーキンソン病の治療をあきらめてはいけません。