僕の考えるところでは、ほんものとは、そのものが、昔ながらのあたりまえの製法で、作られたものだと思っています。
お醤油で例えてみますと、材料は、国産の大豆と小麦と塩、作り方では、木桶で作ること、蔵に住み着いた菌の力で、特別な加温をしないで、時間をかけて出来上がることが、基本になると思います。
外国産大豆だと、ほんものとは、言えないと思う。
まして、油を搾った後の、脱脂加工大豆では、やはり本物とは呼びにくい。
製造タンクも、ステンレスやグラスファイバーでは、木桶醤油がある以上、ほんものとは、呼びにくい。
促成製造に向く菌を使い、加温をして強制的に発酵させる。
色がつかなければ、カラメル色素で着色をして、味を付ける為に、グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸)を入れる。
さすがに、ここまで書くと、ほんものとは言えないことに気づくでしょう。
ですが、本物ではなくとも、一般的には、醤油として売られています。
自社で製造していなくて、仕入れた醤油を製造者として、販売していても、醤油製造メーカーと名乗ることができます。
それも、醤油です。
醤油風調味料とは、表示しません。
お酢もしかり、米なら米だけで、酒にして、壺で静置醗酵させて酢にして、木桶に入れて、熟成しているものです。
一般に売られているのは、酸味料を加えたりしたもので、ほんものとは、呼びにくいものですが、それでも表記は、酢です。
酢風調味料とは、書きません。
かつおだしでも、鰹を使わなくても、化学調味料で鰹節のように感じる味付けをした工業製品です。
それも、出汁だと思わされている。
今の世の中、いつの間にか、似ているようなものだけど、本物とは呼びにくいものが、多いのです。
ある意味、ほとんどの食品がそうかも、でもこれは、偽装とは、言われません。
まあ、今回のホテルなどの一件は、あそこまで、多くの料理で不備がありすぎるので、知らないわけはないと思うので、誤表示だとは思いませんが、似ていれば許されるというおごりがあったのではないでしょうか?
一連のホテルなどが、ここまでになる前に、お客さんから気付いて教えてあげればよかったかもね。
お客様からのアドバイスが改善に一番近道なのです。
この機会に、まじめにやっている個人経営の小規模なレストランや、料理店を見直すきっかけになってほしいものです。
それはそれで、
僕は、これからも、本物と呼べるものを、探して提案していきますので、
よろしくお願いします。