D車 S331G セルモーター反応ありで始動不良! | 一休の整備記録簿

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日々の自動車メンテナンス記録

始動不良で入庫、サッとみて部品交換してお客様に納車!

忙しい時や灼熱地獄の時はこんな感じで仕事を回したい。

しかし今回、先入観からの整備でバチが当たった。

 

D車 S331G 21年 92000Km、セル回らず。

キーをスタートするとセルは カチカチ”ガチ”カチ!

(↓状態は音声入り動画で確認してね)

 

バッテリーは異常なし、距離、年式からサクッとセル確定!?

セルモーター(リビルト)交換後は一旦完治するが、まさかの再発。

現場からはリングギヤーの不良だと・・・。

ミッション下ろして直らなければチョ~無駄、念のため点検開始。

 

 

セルモーター端子S/B/C電圧とエンジンアースを確認するが異状なし。

マグネットスイッチB-Cの電圧点検、セルスタートで約7Vでふらツキあり、

通常12V→約0Vなのでマグネットスイッチ不良と判断しても今回は誤診で

はないとポジティブに(笑)

 

 

オシロでS/C端子電圧を確認すると電圧の強弱が確認でき、明らかに電圧異常が

確認できた。(サーキットテスターではほぼ12V付近)

 

 

 

セルモーターの上流にはスターターリレー、イグニッションスイッチがあり

スターターリレーのチャタリングの可能性もあるが、憶測で交換すると更に無駄な

時間と経費がかかる。配線図からセルモーターの上流を点検。

 

結果、スターターリレーの接点側でチャタリング判明、スターターリレー不良か?

4極リレーの端子電圧は異常なし、リレー単体点検でも異常はなかった。

 

スターターリレーのコイルアース側も電圧測定すれば良いのだが、面倒なので

ニュートラルスタートスイッチカプラーを外し電圧点検、異常はなし、その端子を

アースに落とすと、セルが回った。

念の為にシフトレンジをP-Nにした瞬間に原因が判明した。

 

Nレンジでも同じ時もあれば、シフトレバーの遊び分だけ押え付けると

なんとセルは回る! 尚且つシフトインジケーター照明をよ~く観察するとPレンジ

照明のみ若干薄暗い。

騙されたというか、先入観で失敗!

リレーチャタリングの原因はATニュートラルスタートスイッチが犯人だった。

 

 

ではどうしてセルモーター及びリレーに12V電圧が掛かっているのに作動しないのか?

リレーコイルのアース側→ニュートラルスタートスイッチ内部接触不良→アース、

一定以上の電流がリレーコイルに流れない (温度や状態により変化) のが原因、

 

 

「仕事をするのは電流」であり、電圧点検だけでは困難な腐食や接触不良などは注意が

必要と、以前の記事にもアップしていた(汗)