このブログは、保育士になろうとか全く関係ない人にも、保育士試験を目指してほしいと思って書いています。その書き出しにふさわしいのかどうかわかりませんが、今日から2回に分けて、保育士をめぐる社会からの誤解について書いてみたいと思います。
さて、保育士という職業は、かつては、いや今でも、大変残念ながら、一部の人からは軽く見られているところがあるのではないかと思います。
一番わかりやすく、そして失礼な誤解――それは、保育士なんて、要するに子守でしょ、ベビーシッターでしょ。子育て経験があれば(いや、子育て経験ない学生風情でも!)、資格なんてなくてもできる仕事でしょ、という意見です。
ご存じの方も多いでしょうが、保育士は、昔は「保母(保父)」と言われていました。国は、その名称を、いわゆる「士業」ではないにせよ、「保育士」に改め、さらには名称独占(資格のない人はその肩書を名乗ってはいけない)の国家資格としました。その過程で、保育士に専門性や責任、職業倫理を強く意識づける一方で、保護者に対する職業威信も高めようとしたのではないかと思います。それでも、まだ一部の人には誤解があるのではないか、それは、資格なり試験制度に対する無理解が原因ではないかと私は思っています。
そもそも、無資格で保育補助で現場にいらっしゃる方なら当然ご存じのことですが、保育士が保育施設で行っている保育って、親が自分の子どもの面倒を見るのと同じような部分(単なる託児といってもいい)ももちろんありますが、実際の保育はそれだけではありません。まず資格を取ろうと試験勉強を始めた人も、それはじきにわかります。
たとえば、保育園に通う子ども同士がおもちゃを争ってけんかを始めたとします。自分の子の育児(たとえば兄弟げんか、近所の知り合いの子ども同士の争い)なら、「譲ってあげなさい」「順番こだよ」とかになるでしょう。しかし、保育園という公の場での保育だと、各児の性格や発達段階に応じて、手が出てけがをするようなところまでいかなければ、あえて喧嘩を止めずに見守り、子ども同士の自己主張、葛藤、自己抑制を体験させてみる場合もあります。そういう判断を、素人の親はいちいち行わないでしょう。また、発達段階に応じて、行けないことをした場合の注意の仕方も考えます。親だと感情的に怒っちゃうこともあるけど、保育士は仕事として対応するわけです。
また、保育園に通う子の親が、保育士に対して「うちの子●●なんですけどどうしたらいいでしょう」って相談し、助言することも普通にあります(なお、保育士は、子どもが所属の園に通っていない地域住民からの育児相談に乗るのも使命です。もしかするとそれも一種の誤解かも)。これって豊富な専門知識・経験の裏付けがあって行ってることで、単に先輩ママが自分の体験だけに基づいて助言する(「うちはこうだったわよ~」)のとは話が違います。
これこそ、やはりプロの仕事なのですよ。
