冬景色 | 水石 一刻亮のちょっとしたコダワリ

水石 一刻亮のちょっとしたコダワリ

水石の深淵なる美を見つめて

さて、床飾りを1月の飾りに変えます。

冬山の景色をテーマに飾ってみました。

 

 

 

昨年11月頃だったかな、好みの図柄の掛軸が出ましたので

すぐさま購入しました。

 

私の大好きな山元春挙先生の御軸です。

先生の作品は、ちょっと考えている間にすぐさま買い手がついてしまいます。

 

鉛色の空と背景、

何も着色しないことで雪原を現していますね、お見事です。

 

画面に1頭だけ鹿が描かれているシンプルな構図です。

絹本ではなく、紙に書かれているので渋く味わいのある作品です。

 

 

 

主石は恐らく『八海山石』だと思われます。

確証は有りませんので産地不詳石ですね・・・

 

因みに、父と菊川水石会では数度、八海山石を探石に出掛けています。

水石会長に聞きますと、この様な白を咬んだ石もあるとの事でした。

 

石の底部分が出っ張っており、砂に沈めるのはこれが限界で底付きしています。

あと5mmも埋まればまたイメージが変わると思います。

 

ただし、最近思うのですが底切り石の如何にも『切りました』と解る様な

水盤石は、どうも見ていて気になりますので、

この様な『絶対切断石ではありません』と解る様な石はスッキリした気持ちで見ていられますね。

 

通常、水石は黒っぽい石が良いとされていますので

この様に白斑が大量に石肌に現れている石は敬遠されると思うのですが、

今回は、この白斑を『雪渓』と見立ててみましたが、如何なものでしょう???

 

雪渓なので、本来ならこのジャグレ部分が白ければ文句無しでしょうけど・・・

右側の山裾がもう少しなだらかに伸びていればもっと良くなるのですけどねぇ

 

霧吹きで水を打ってみました。

 

屋外で十分持ち込んでいますので、しっとりと水を含んでくれます。

 

実際には座敷に正座か胡坐をかいて座った目線から

やや見下ろすように石を観賞するので、

石の据え付けが浅い事は画像程気になりません。

 

まずまずの佳石かなぁ

 

冬山の雪景色が目に浮かんだでしょうか・・・