抹香石 | 水石 一刻亮のちょっとしたコダワリ

水石 一刻亮のちょっとしたコダワリ

水石の深淵なる美を見つめて

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったモノですね。

朝晩は涼しくて過し易い気候になりました。

床の間の掛軸が、いつまでも瀧の絵柄では季節感に乏しいので、

早速掛け替える事としました。

 

『山雲乍霽』

 

児玉希望作

 

主石は『抹香石』です。

切断石では有りますがコレだけの形状を持った石を水石として利用できず

捨て置くよりは、切断して活かす方が私個人は良いと思います。

水盤にも台座にも収まらない石は只のゴロタ石に過ぎません。

 

 

 

 

 

 

 

一刻爺作台、

丁寧な作りなのでお気に入りの石であった証拠です。

 

立の有る石ですから厚い台座を作ったようです。

板の厚みが足りないため継ぎ合わせて有りますね。

 

父、一刻爺は大変大人しい抽象的な石が好きな反面、

この様な脅しの効く押しの強い派手な石も好きでありました。

 

この様な石は何と言っても展示会向きでありまして、

広い会場では実に飾り映えがします。

家でじっくりと眺める石では無いかも知れませんが、

父のお気に入りの石とあって、一度は床飾りもしてみたいと思った次第です。

 

添え草は『ビロードシダ』です。

 

雲の切れ間から姿を現した奇岩怪石、

岩肌に着生するシダ植物

そんな情景が思い浮かぶでしょうか・・・