ふじのくに芸術祭2019水石展、出品石の準備をしなければなりません。
まだまだ残暑厳しい季節ですので、水盤石で考えてみました。
水盤の大きさ、卓との取り合わせを自宅の床の間で確認してみます。
主石は安曇川石です。
水盤は鴻陽
昭和55年11月吉日とあります。
親父が先代の作家ご本人から直接仕入れてきたと言っていましたが・・・
今となっては確認する術もありません。
先ずは砂を敷き均します。
私は鞍馬砂を使用しています。
水盤の縁から1㎜程度下がりが良いと思います。
先人が仰る通り、幾ら座りの良い石でも直に水盤に据え付けるのは良くないと思います。
観賞する際に水盤の縁が目障りとなり、マイナス要因となります。
同じ理由で敷き砂はめいっぱいのせいぜい1㎜下がり程度がよろしいかと思われます。
安曇川石は切断石の底直しです。
これで全くの初心石ならば名石なんですがねぇ・・・
石自体は、画像向かって右側の奥行きが一番深く、
主峰は中心から右側の山と見ます。
力の作用は右側から左に流れるため、水盤の右寄りに寄せて左部分に余白を設けます。
つまり、右勝手の石と見立て右寄りに据え付けます。
位置が決まりましたら、砂に若干埋めて再度敷き砂をコテで均します。
床の間に飾り付けてみましたが如何なものでしょう。
安曇川石左右26㎝、鴻陽水盤56㎝、平卓76㎝です。
違った水盤にも合わせて見ます。
作家は同じく鴻陽ですが左右は46㎝となり10㎝狭いものとなります。
平卓は先日購入したばかりの猫足です。左右は69㎝
掛け軸は山元春挙『明月の図』
霧吹きで水を打ってみました。
因みに、水盤の砂にたっぷりと水を打ち、水面と見立てて石の影を映り込ませるような飾りを
見受けますが、やはり亮は好みません。
かえって映り込みが目障りなのです。
しっとりと湿っている程度が良いと亮は考えます。
前者は水盤が大きすぎる印象を受けますが、水盤面に十分な余白は取れます。
石の厚みに対して水盤が深すぎる印象も受けます。
水盤が大きめなため、卓は更に輪をかけて大きく感じてしまいますね・・・
どうしても観覧者の目が水盤と卓にいってしまい、肝心の主石が引き立ちません。
後者の飾りでは、若干水盤が窮屈に感じるものの、
薄手の水盤となるため主石の変化が引き立ちます。
そもそもが厚みを嫌って切断し、座りを整えた石なので、
浅めの水盤に据えて石の薄さを強調することは有効だと思います。
石自体の景色が大きく見えます。
水盤が小さくなることにより卓も一回り小振りにすることができます。
前者よりも全体に軽やかな印象を受けると思いますが・・・如何?
展示会は後者の組み合わせで出品しようと思います。