2006年 12月10日  単独  9時間  曇り&ガス

初冬の一日、筏場道より大台ヶ原を目指す。
登山口には“大台駐車場12k・6時間”の道標があった。
以前、この道標を見た時には、こんな遠い処から大台ヶ原へわざわざ登るヤツもおるんかいな~
と思ったのだが、数年後、自分がまさかその“わざわざ登るヤツ”になろうとは夢にも思わなかった。
白倉又谷出合駐車場6:42発。
本沢川本流の左岸を50分ほど歩いた後、植林の登りとなる。眼下に釜ノ公谷を見ながら、
行けども行けども続く果てしないつづら折れの登り。トガ(?)の巨木が目に付く。
1000mを越えると自然林が現れる。そのうちちょっとやばいトラバースなんかも出てきて
道が途切れ、少しの間、谷に迷い込んだりする。

更に銀嶺水を過ぎるといたるところで橋が落ちており、緊張の内に通過。
1115m地点で大崩落箇所が出てくる。メットを着装し、手袋をはめ、身支度をする。
一旦、上部へ巻きあがり立木に掴まりながら谷側への降り口を捜す。
トラロープが張られていたが、下が切れ落ちており着地は難しく、一歩間違えば谷底へ転落必至で
とてもすがる気にはなれない。本来ならば、ここは安全を期してロープ&ハーネスを
出すべきところだろう。幸いにも上部に新しく白いロープが設置されていた。
(奇特なお方ありがとう!)慎重にホールド&スタンスを確認しつつ、ロープにすがり谷に降り立つ。

この崩壊地は某HPではこともなげに通過したように書かれていたが、想像以上に悪い。
こと人命にかかわることなので安易に通過できるような書き方は厳に慎むべきだろう。
9:19大台辻着。登山口から大台辻まで2時間35分かかった。緊張が緩みホッとする。

大台辻から拳峠までは、西大台っぽい雰囲気の苔蒸した林床に自然林が続くしっとりとした道。
時折小雨がぱらつき、展望のない横道を進む。姫笹が出てきたらもう大台は近い。
川上辻着11:00。ガスに覆われた遊歩道をひたすらに歩き、たたら亭着11:20。
しばし休憩の後、11:50大台駐車場着。残念ながら雪はまったくなし。
思いっきり寒い誰もいない駐車場。写真だけ撮って即、下山にかかる。11:54発。
明るいうちに危険地帯を通り過ぎたい・・・。

下りの拳峠付近で所属サークルの山友K&Tさんとばったり出会う。(^^)
泊装備のお2人はヘルメットにハーネスを着装し、ダブルストックを持ち、雨具を身につけ、
しかも長靴という過剰&摩訶不思議スタイルなんで思わず笑ってしまう。
どうやら尾鷲道を行くらしい(>瀑<)しばしの歓談の後、互いの無事を祈りつつ別れる。

大台辻の手前から雲が切れ青空が見えてきた。明日はきっといい天気なんだろうな(><)
2時を廻るともう日が傾きだした。山の日暮れは早い。
長い長い歩きの後、白倉又谷出合駐車場着、3:42。
標高差1000mの久々のロング山行に満足の一日だった。



※尚、釜ノ公谷吊橋~川上辻間は崩壊地が多く大変危険なため現在通行禁止になっています。
   この記事を見て安易に通行され事故に遭われても当方は責任を負いかねます。
   登山はあくまでも自己責任でお願いします。
  


朴葉敷き積もる筏場道
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銀嶺水~水が出ていた
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落ちた橋
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赤いロープをつたってトラバース
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危険崩壊地帯
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大台は近い
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定番のガス
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登山口にあった地図
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寒っ~(><)
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お気をつけて~
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本沢川本流
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