農政は中央集権的なものと相場が決まっていた。
全国的なコメの需給調整はその最たるもの、
しかし近年自治体農政にも目を見張るものがある。

たとえば、農業への企業参入だ。特区や特定法人貸付制度は、地方自治体と企業との間で「協定を締結」する仕組み。
自治体の姿勢が鍵になる。

自治体の中には、地域経済の活性化を担う観点から、精力的に企業を勧誘に動いているところがある。
とりわけ熱心な自治体として知られるのが、青森、鳥取、島根、広島、福井、愛媛、大分、鹿児島である。福島県喜多方市、三重県四日市、神奈川県相模原市、神奈川県小田原市なども熱心な自治体としてあげられる。

熱心な県の一つ大分県では、08年から10年までの3年間で100社の新規参入によって100億円の農産物販売額増加をめざすという。県庁内に部横断の「農業企業誘致プロジェクトチーム」を組織し、各振興局単位にも同様のチームを設けて県内外での企業の誘致勧誘をおこなっている。08年度上半期(4―9月)では13件の企業参入がみられ、前年同期の倍以上の実績を残している。県は計画の達成に手応えを感じているという。

これに対しておしなべて、東北・北陸などの各県は熱心ではない。企業参入を敵視し、農地法の維持に固執する農協中央会に遠慮しているせいである。これらの各県はコメに依存し続け、米価を維持することが最も重要な政策課題とされ、企業の誘致に表だって手を挙げられない構造にある。

その一つ宮城県でも、農政部としての表だった対応を避け一係が対応するといった消極的な体制となっている。とはいえ事業は人と言うことがあるがこの係の積極的な動きによって、トヨタやドールが参入し県北でのパプリカ生産に踏み切るなどトレンドに遅れまいと必死である。

千葉県は、94年以降農業生産額第二位の件だったが、05年には鹿児島県や茨城県に抜かれて4位に転落(翌年には3位に復活)。
こうした事態を憂慮した千葉県は、「農業産出額全国第2位奪還に向けた「部門別緊急戦略」の策定」に動いた。08年の2月のことである。部門別と言うだけあって、園芸、畜産、農産の各部門別でいくらの売り上げが達成できるかの積み上げを行い支援すべき対象の明確化を行っている。

こうしてみると農政はもはや自治体間競争の時代に入っているのではないか。
農政こそは現場に近い自治体が担うべきと考えている私にとっては、まさに理想に近づいていると言えよう。
これからは自治体の知恵の出し方が重要になってくる。