Ⅰ、米先物試験上場不認可
東京穀物商品取引所と、関西商品取引所が05年12月に申請した米の先物試験上場は06年3月28日不認可とされ、不認可とされてから、1ヶ月半が経過した。
農水省の理由も4月12日にで、東穀からの反論も、25日に出され、また業界内での憶測も、ほぼ出そろった感じだ。
不認可理由は、「先物と生産調整政策との不整合性」、そのことが「生産及び流通に著しい支障を及ぼし、または及ぼすおそれがある」というもの。

ここで少々冷静になって、この不認可騒動で何が見えてきたのか、整理してみたい。
今日・明日の2回にわたって、コメントしようと思う。

Ⅱ、東穀の言い方に分がある。
この間、「先物は生産調整と整合性を持っているかいないか」、に限定した論評が続いている。
こうした論点で議論する限り、私は、先物導入と生産調整は矛盾しないと考えている。これは東穀のいうとおりであろう。言い過ぎになるかもしれないが、補完関係にすらあるとも思っている。農水省の理由は先物を不認可する理由としては、希薄といわざるを得ない。

その理由は次の三点。
①生産調整は、価格を維持しようとするための価格カルテルである。しかし、豊凶変動や多様化する取引等による需給不均衡から価格は変動している。大枠は生産調整で、また価格変動ヘッジは先物で、という棲み分けが可能であろう。

②先物実施により、生産調整参加者が減るというものでもないだろう。可能性をいうのであれば、価格下落によって、生産調整の必要性をさらに認識し、一層生産調整(他作持つ生産に邁進)することもなくはない。先物試験上場は、生産調整参加に対しむしろ中立と考えた方がいいのではないだろうか。実際の受け渡しは、これも東穀のいうとおり、「例外」であろうから、過剰米処理や生産調整への影響はほとんどないといっていい。

③先物試験上場は、生産調整や需給情報を受け、それを市場形成に織り込み、将来の価格情報として提供する機能がある。これも、生産調整と先物が補完的でありつつ相互に影響を与え会う構造を作っている。
一般論としていえば、経済ツールとしては多いほどいい。

市場オリエンティッドの政策を推進するという「基本法」の前提に立てば、先物を排除する理由は何も見あたらない。

その意味で、農水省の理由は、希薄といわなければならない。