25年10月末の米相場は、高い買い入れ価格と供給増による安値誘導の綱引き状態。相変わらず税込み5000円台の高値が続いている(農水相発表のポスデータでは4200円台)。
10月末のスポット市場(卸間売買)では既に価格は下落し、米穀機構が11月10日に発表した向こう3ヶ月の価格見通し指数も39と均衡水準50を下回った。先物も下げている。市場関係の指標は全て下げ基調となった。
これを受けて、卸は買いより売りに傾注しはじめた。
だが、高値での販売が伸び悩み順調に捌けていない。小売りはまだ備蓄米を抱えておりこれを売るのが先行し、高値での新米は売れ行きが悪く、新米購入の動きは鈍い。
コメ流通全般の動きは緩慢で、価格の踊り場はしばらく続く見通し。 しわ寄せは高値集荷の集荷業者をはじめとする中間業者に集まっており、業界は損切りが可能かの我慢比べになっている。
小売りや業務用で、高値のまま安い海外産にシフトする動きも見られ、いつ価格下落がおきるてもおかしくない状況にある。通常なら年明けか、3月決算期か。
とはいえ、このように市場指標が全て下落を指している状況で、実際に下落がおきないのは、市場の不完全性があるからだろう。不完全性の中心に農協の系統流通があるのではないか?